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コールセンターがビジネスの生命線〜アクサダイレクト顧客満足を決める(2/3 ページ)

アクサ損害保険は、コールセンターをビジネスの中心におく企業の1つの典型例。同社はCTIにGenesysのT-Serverを導入。キメ細かなサービス体制で保守的な日本市場で積極的なビジネスを展開していく。

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 電話がかかると、電話番号に応じて空いているオペレータに電話が回される。オペレーターは、スクリプト(コールセンター業務でオペレータが使用する台本のようなもの)に沿って顧客に対応する。顧客に合った見積もりを提示するまでにかかる時間は平均約5分。サービスの説明を含めた時間は平均約8分となっている。また、顧客の要望がオペレータのスキルとマッチしない場合に、バックエンドの社員がサポートできる体制も敷いている。

ブロードバンドに期待

 喜多氏は、保守的な日本市場において、今後のテクノロジーの進展に期待を寄せる。

 最も大きいのがブロードバンドだ。ADSLや光ファイバーの普及により、今後はテレビ電話がより広く利用される可能性もある。テレビ電話により、ダイレクト販売の形態でネックとされていた「売っている人の顔が見えない」という問題を解決できるかもしれない。

 また、都市化によるライフスタイルの変化も、同社はむしろプラスに考える。同社によれば、核家族化が進み、「コミュニティの解体」が社会問題化されているが、損保業界では、これが代理店の独占販売チャネルの解体として現れてきているという。「知り合いの付き合いで入る」というケースが、これまでの保険加入においては非常に多かったからだ。

ターゲット顧客は?

 損害保険は非常に成熟した市場であったため、「新しいモノを受け入れてくれる顧客層がターゲットとなった」(喜多氏)という。

 具体的には、「都市型の30代前後、代理店との付き合いなどにあまりこだわりを持たない人々」を対象顧客として設定した。インターネットを使いこなすこの年代層には、情報を自分から探しに行くという能動的な側面を持つことが多く、同社の保険購入に結びつきやすいとの判断もあった。

肉声か自動音声か

 「顧客は機械と話そうと思って電話をかけてきていない」と喜多氏。

 そのため、自動音声による応答で電話の受付を行うIVRの採用には同社内でも躊躇があった。だが、ライフスタイルの変化や同社の顧客の特性から、顧客の行動がより能動的になっているとの判断もあった。結果として、IVR導入でセルフサービスを充実させる方が、ユーザーのニーズやコールセンターの運用効率の観点からもマッチしているとの結論を出した。

 ただし、喜多氏も、IVRとオペレータによる肉声での対応の選択について、「悩ましいところ」と思っているのが本音のようだ。ただ、すべて生身のオペレータが対応するには、リソースに限界がある点を事実として受け止めている。

Webサイトとの棲み分け

 24時間365日の営業はコスト的に無駄が多いが、実際には、夜中に保険に関する情報を収集する人もいる。ここでは、「インターネットとの棲み分け」がテーマになるという。コールセンターの営業時間外に、Webからいかに効率よく、分かりやすい情報を提供できるかが重要だ。

 コールセンターとインターネットという2つのチャネルを、投資コストとの釣り合いを見ながら、適切に使い分けていくことがビジネスの成功を担っている。

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