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B2BマーケティングにおけるMA導入、「脱Excel」のために留意すべき4つのポイントとは「HULFT」普及拡大へセゾン情報システムズがやったこと(1/2 ページ)

マーケティングオートメーション導入でB2B企業は何に留意すべきか。セゾン情報システムズの事例からヒントを探る

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 本稿では、2017年7月26日に開催された「Oracle Modern Business Experience 2017」のセッション「BtoBマーケティングの課題に挑む、世界No.1を目指す『HULFT』のMAの仕組みと運用」に登壇したセゾン情報システムズ(以下、セゾン情報) HULFT事業部 マーケティング部 デジタルマーケティング課 高山真彰氏の話から、同社のマーケティングオートメーション(MA)製品導入のいきさつとB2B企業がMA活用で留意すべき点について解説する。


MA導入に至るまで


セゾン情報システムズ 高山真彰氏

 セゾン情報はシステムインテグレーション(SI)をはじめ複数の事業を展開している。中でもビジネスの大きな柱となるのが、ファイル転送ソフトウェア「HULFT」を中核とするパッケージソフトウェア製品だ。HULFTは、企業活動で発生するデータの送受信をファイル形式で行うための連携ミドルウェア。同製品は、銀行や自動車会社をはじめ、安全かつ信頼性の高い環境で情報のやりとりをしたいと考える企業から高い支持を集める。Gartnerの調べによれば、2016年のManaged File Transfer Suite市場において世界シェア第2位の地位を占める。MA製品を導入した理由も、ソフトウェアパッケージ事業の拡大のためだったという。

 B2Bマーケティングでは一般的にリード(見込み客)獲得は展示会やイベントでの名刺収集から始まる。獲得したリードに対してWebサイトでコンテンツを提供したりプライベートセミナーなどで購入意欲を喚起したりして、購入検討が始まったら営業に渡し、商談化が進む。セゾン情報では、営業担当者が決まっている企業からのアプローチがあればその担当者に、決まっていない企業からのアプローチは新規専門の担当に情報を渡していた。また、見込み度合い、つまり渡したリードがホットであるかどうかは、セミナー出席時や評価版ダウンロード時のアンケート結果から分かる「購入時期」や「関心のある製品」を決め手に判断していた。

 MA導入前、同社では、主にセミナーの集客でメール配信とWebフォーム作成が可能な国産SaaSサービスを使っていたという。だが、事業の海外展開が加速する中、そのサービスを中国で使おうとすると文字化けが発生するなど、海外利用向けの機能が充実していないことを理由に、これまでのやり方に限界を感じるに至った。

 加えて、大きな問題だったのが、多過ぎるリードとその質の管理だ。高山氏によれば、マーケティングで獲得したリード数は年々増加し、2015年は約2万4000件にまで達していたという。しかし、リード数は多いものの、それがどう売り上げに貢献しているかを明確に説明できないことがデジタルマーケティング課の悩みであった。

 B2Bの企業の場合、規模が大きいほど決裁者と発注者が異なる傾向がある。「A社の山田さんの評価をきっかけに受注できても、発注者は川田さんになることもあります。さらに、A社から100件注文が来ても、どれが山田さん由来のものかが分かりません。既存顧客の受注に貢献した個人の特定は難しく、明らかに新規顧客と分かるものだけでしかマーケティングの貢献は評価されていなかった」と高山氏は振り返る。

 また、「Excel地獄」も大きな課題だった。ターゲット企業にメールを配信しようとすると、マーケティングが持つデータベースと営業が持つデータベースそれぞれからデータを集め、リストを作成しなければならない。その際、メール配信結果やページ閲覧、評価版ダウンロードなどのWeb行動履歴も全て「Microsoft Excel」を使って手作業で整理し、ホットリードに変わった分をファイルにして営業に渡していた。これではリードのステータスも分かりにくいし、運用作業が煩雑になるだけだ。実際、マーケティング部門のスタッフはこうした作業に忙殺されていたという。

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