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デルがインサイドセールスを大幅増員、その組織と業務を紹介創業以来のビジネスの中核(1/2 ページ)

デルは2017年4月26日、中堅企業向けのインサイドセールス(内勤営業)を大幅に増員すると発表。業務の内容や組織体制、求められる人材像などについて責任者が語った。

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デルの清水 博氏

 デルは2017年4月26日、東京都内で「中堅企業向けインサイドセールスの新たな人材戦略」に関する記者向けの説明会を開催し、同社の主要なターゲットである中堅企業のIT(情報システム)部門へのインサイドセールス(内勤営業)を強化する方針を発表した。この席で同社のインサイドセールスを統括する執行役員 広域営業統括本部統括本部長の清水 博氏は、2017年5月から8月末にかけて、中堅企業における「ITコンシェルジュ」として、インサイドセールス担当者を新たに50人を採用すると述べ、その業務内容や組織体制、求められる人材などについて語った。

インサイドセールス増員の背景

 BTO(受注生産)モデルによるPCの直販を創業の原点とするデルにとって、ダイレクトセールス、ダイレクトマーケティングは王道といえる手法だ。そして、それを担うインサイドセールス(内勤営業)は、ビジネスの中核を担う存在といえる。

 清水氏は、今回同社がインサイドセールスを強化した背景には、2017年2月に発表した事業戦略があると述べる。ここで同社は中堅企業向けのサービス向上をうたっている。

 IT人材の不足が各所で叫ばれる中、中堅企業においてIT担当者は常に忙殺されており、「1人情シス」といった言葉も定着している。デルが実施した調査では、1人情シスまたはIT専任担当者がいない中堅企業は全体の3割弱にも及ぶという。そのような顧客に対する商談機会を逃さないためには、アポイントメントを取って訪問するというプロセスをできるだけ少なくし、電話でコミュニケーションが図れることが望まれる。

 また、エンタープライズ向けの大規模システムと比較すると単価の安い商材も多く取り扱うデルのような企業にとっては、コスト削減、営業効率向上の観点からも、フィールドセールス(外勤営業)よりインサイドセールスの比重を増やすことが望まれる。インサイドセールスは、マネジメントからの可視性が高く営業リソースのROI分析が容易という点でも効率化に寄与しやすい。

 こうした背景を受け、デル社内ではインサイドセールスに求められる役割が、セミナーのフォローやアポ取りなどの従来のテレマーケティング活動から、提案活動やパートナー企業との連携、さらにはクロージング(受注)や顧客満足度調査まで拡大してきている。

日本におけるインサイドセールスの取り組み

 清水氏が統括する広域営業統括本部は、中堅企業営業担当部署として日本で24年の歴史を持つ。総務省と経済産業省が発行する「平成24年経済センサス−活動調査(企業等に関する集計産業横断的集計)」によれば、従業員数100人以上1000人未満の中堅企業は4万7000社(公共、医療を除く)。デルはこのうち61.7%に当たる2万9000社を顧客としている。継続購買率は70.4%にも及ぶ。

 日本の中堅企業の半数以上とコンタクトが可能なインサイドセールスを社内に抱えていることは、顧客のIT課題を直接探り、業務効率化につながる製品やサービスを提案できるという点で、大きなアドバンテージだ。清水氏は「マイケル・デルによる創業から30年以上たった今なお、インサイドセールスはデル独自のビジネスモデルの中核を担う存在」とその存在意義を強調する。

 デルのインサイドセールスの特徴は、フィールドセールスのサポートにとどまらず、営業プロセス全体をコントロールするところにある。アポイントメントから製品の相談、見積もり、受発注、納期問い合わせまで、全ての顧客窓口となっている。マーケティング、フィールドセールス、インサイドセールスが連携し、情報のフィードバックループができていることで、顧客の課題にきめ細かく応えることができるのだのだ。

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