マーケティングオートメーション――マーケティング業務プロセスを自動化し、確度の高い見込み客リストの生成へ:トレンドキーワードを知る
「見込み客情報の獲得から案件化まで」のマーケティングの業務プロセスを自動化する支援ツールが「マーケティングオートメーション」である。人手では“抜け漏れ”が発生しがちな見込み客フォローを確実に実行し、案件化の確率を高めるものとして大いに注目を集めている。
「デマンドジェネレーション」を自動化するマーケティングオートメーションとは?
企業のマーケティング部門では、市場調査や広告宣伝活動を通じて自社の商品/サービスの顧客となり得る見込み客を発掘し、そのリストを営業部門へ渡すことが主な業務活動となっている。この業務活動によって営業案件を創出することを「デマンドジェネレーション」と呼ぶが、これを自動化することでマーケティングの業務活動を効率化するツールが「マーケティングオートメーション」である。
その歴史は意外に古く、SFA(営業支援ツール)よりも前の業務プロセスを担当するものとして、2000年前後に米国で登場している。SFAは営業案件の管理を支援するツールだが、案件を創出する機能は備えていない。そのため、マーケティングオートメーションが登場する以前は、マーケティング担当者がそれぞれ個別のツールを組み合わせて業務を行っていた。しかし個別のツールでは人手を介して業務を遂行しなければならず、多大な手間とコストが掛かる。例えばメールやWeb、展示会・セミナー、テレマーケティングなどで集めた見込み客リストから、自社の商品/サービスのターゲットとなる見込み客を絞り込むだけでも相当な業務負荷がかかり、購買意欲が高い見込み客がリストから漏れてしまうおそれもあった。そこでやむなく営業部門へ見込み客リストをそのまま渡すと、今度は営業部門が案件化しない見込み客の対応にリソースを割くことになり、業務生産性が著しく低下するという課題が発生する。マーケティングオートメーションは、このような課題を解決するために誕生したものだ。
米国ではFortune500の大企業のうち、半数を超える企業がマーケティングオートメーションを既に導入しているという。導入企業は未導入企業と比べて、2倍以上のリードを獲得しているという報告もある。日本でもマーケティング業務を効率化するツールとして、ここ数年の間に企業のマーケティング部門で導入機運が高まっている。また、もともとB2Bマーケティングから始まったマーケティングオートメーションだが、近年はB2Cマーケティングでも活用されつつある。
関連するホワイトペーパー -PR-
株式会社フロムスクラッチ
マーケティングオートメーション主要6ツール比較、機能とサポートの違いは?
マーケティングオートメーションを導入する企業が増える一方、「実は正しい活用方法が分かっていない」という担当者も多い。そこで、マーケティングオートメーション活用の第一歩として、主要6ツールを中心にその機能やサポートなどの違いを解説する。
株式会社フロムスクラッチ
マーケティングオートメーション徹底解剖――B2Cで多くの企業が失敗する理由
B2C向けのマーケティングオートメーションツールである「クロスチャネルキャンペーンマネジメント」(CCCM)の導入に失敗する企業が後を絶たない。そこで、失敗の原因から、より自動化の進んだB2Cマーケティング基盤を構築する方法を探る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 【連載】企業戦略としてのマーケティングオートメーション 第1回:神田昌典が語る「マーケティングオートメーション」の先に見えるビジネスの革新
「日本一のマーケター」と呼ばれる神田昌典氏の目に映るマーケティングオートメーションの「真の革新性」とは何か。短期集中連載第1弾。 - 【連載】“0円”から始めるマーケティングオートメーション 第1回:オープンソースのマーケティングオートメーションを知っていますか?
マーケティングオートメーションを使いたいけれどコストも掛かるし難しそうだしなかなか導入に踏み切れない……。そんな悩みを抱える企業に「新しい選択肢」を提案します。 - B2C向けも躍進:マーケティングオートメーション市場は前年比51.9%増、ITRが予測
ITコンサルティングのITRは2016年1月21日、B2B、B2Cの国内統合型マーケティング支援市場の規模推移および予測を発表した。 - 【連載】“失敗”から学ぶマーケティングオートメーション活用術 第1回:マーケティングオートメーション、導入成功事例で語られない「苦い経験」
マーケティングオートメーションを入れさえすれば全てがうまく回り出す……わけがない。成功物語では語られない導入・運用の本当の勘所を紹介する。 - 「生みの親の1人」が語る:B2CでもB2Bでも「Adobe Campaign」が日本のマーケティングオートメーションで有力な選択肢になる理由
米Adobe Systemsのクロスチャネルキャンペーンマネジメント(CCCM)ツール「Adobe Campaign」が日本で本格展開を開始。製品の特徴と競合優位性などを製品担当のトップに聞いた。 - 第1回「BtoB企業マーケティング実態調査」:マーケティングオートメーション導入済みは1割弱、コンテンツマーケティングにも意欲
マーケティングオートメーション導入支援などを行うグリーゼは2015年7月1日、「第1回BtoB企業マーケティング実態調査」の結果を発表した。 - 【連載】MARKETING INNOVATORS:マーケティングオートメーションには何ができるのか?――マルケト 代表取締役社長 福田康隆氏インタビュー(前編)
注目度はかなり高いものの、マーケットにはまだまだ浸透していない――。マーケティングオートメーションの認知度について、マルケトの代表取締役社長 福田康隆氏はこう語る。マーケティングオートメーションのポテンシャルについて、福田氏に聞いた。 - 【連載】BtoBマーケティングの極意!学びと実践の現場から:第4回 企業サイトの運用を激変させるマーケティングオートメーションツールの衝撃体験
学生と実務家という立場で書かせていただいているこの連載も4回目を迎えることができました。今回は特に、実務家の立場からこれまで続けてきた仕事の事や、最近話題にのぼることが多い「マーケティングオートメーションツール」について触れてみたいと思います。 - ゴリ押し営業回避:マーケティングオートメーションで“嫌われない”マーケティングを実現できる
企業側のゴリ押しではなく、顧客が欲しい商品をPRできるマーケティング戦略を実現するにはどうしたらよいか。マーケティングオートメーションで叶えられる。実際にもたらすメリットを6つ紹介する。 - 営業部門と共同で効果的なナーチャリング施策を:マーケティングオートメーション初心者へ、4つのアドバイス
マーケティングオートメーションの導入が進んでいる米国企業では、効果的な導入/運用のためのベストプラクティスが整備されつつある。マーケティングの自動化に関心を持つマーケター向けにいくつかのコツを紹介する。 - 【連載】モダン・マーケティングの時代:マーケティングオートメーションの簡素化――大きなアイデアを実現する小さなガイド
Oracle|Eloqua のブログ「IT'S ALL ABOUT REVENUE」のエントリー群などから、BtoBマーケティングに関するトピックを翻訳してお届けします。今回は、一見複雑に見える「マーケティングオートメーション」のシンプル化を提案します。