第2回 継続的な改善を実現させるカスタマージャーニーマップの運用方法:【連載】マーケティング投資最適化の科学的アプローチ
今回はカスタマージャーニーを利用したマーケティング改善アプローチの1つの手法を提案します。顧客による商品選定から継続購買までの一連の流れを可視化することで、効果測定指標の整理など、マーケティング施策の最適化が可能になります。
最近、デジタルマーケティング業界において、カスタマージャーニーという言葉が話題になっています。その考え方は決して新しくありません。例えば「ゆりかごから墓場まで」という言葉のとおり、自社と顧客の関係の最初(トライアル購買)から最後(継続購買)まで、顧客を満足させながら自社商品(製品、サービス)を継続利用してもらうのはCRM(※1)の基本です。
※1 CRM(Customer Relationship Management):顧客を維持することを目的に、顧客情報を活用し、個々に最適な対応を図るマネジメント。
カスタマージャーニーとCRMでは何が異なるのでしょう。カスタマージャーニーは自社商品への顧客の認知や理解といったトライアル以前のステージも領域に含めている点で、CRMよりも広い考え方となります。
カスタマージャーニーへの注目には、アドテクノロジーの発展が大きく影響しています。自社サイトに訪問した顧客の情報と外部メディアを閲覧する顧客情報を同期させ、特定の「個客」としてターゲティングすることが可能になりました。それにより自社サイト外でも、「個客」単位での計測できるため、顧客の動きを明示化させたカスタマージャーニーという考え方が広がっていると思われます。
本稿では、顧客が商品の選定から継続購買までの一連の流れを、カスタマージャーニーと定義しています。もちろん、商品の認知以前、購入前、購入後では、顧客の行動は異なりますし、企業のマーケティングの目的や施策も異なります。そのため顧客の行動をベースに、カスタマージャーニーを複数ステージに分割することからスタートさせます。次いで、各ステージ内で測定する指標の設計や複数ステージに跨がる指標を、一元化して管理/運用することが可能になります。その手順を以下に紹介します。
なお、ここで紹介するのは、カスタマージャーニーを利用したマーケティング改善のアプローチの1つの手法です。
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