「山田太郎・45歳」は、なぜ育毛剤を買ったのか? 大正製薬がGeminiで作ったペルソナから得た“意外な気付き”とは:EC売り上げ39%増(3/3 ページ)
大正製薬は、薄毛の悩みを抱える顧客への理解を深めるため、生成AIで仮想ペルソナを作成。対話を重ねながらマーケティング施策を検討し、プロセスを約2カ月から1日に短縮した。その手法とは?
AIは「思考の伴走者」 大正製薬が考える組織での使い方
発毛・育毛剤市場の最盛期は、夏の強い日差しによるダメージを受け、抜け毛の悩みが顕在化しやすい秋口だという。
2025年秋、今回のプロジェクトで得られた示唆を反映したコミュニケーションを展開したところ、前年同月比で店頭売り上げは6%増、自社ECの売り上げは39%増となった。狙い通り、ブランドエントリー層の30〜40代の新規顧客による売り上げを増やすことができた。
大正製薬では、リアップで得た経験を他ブランドにも広げ始めている。
「世の中が急激に変化する中で、新しい手法はどんどん取り入れていくべき。今回、リアップで新たな手法に挑戦したことで、その感動が他ブランドへも広がり、組織全体でスキルと経験値が高まっているのを感じる」(栄角氏)
マーケティングを取り巻く環境は変化している。メディアが多様化し、同じメッセージを一律に届けるだけでは、生活者に届きにくくなっている。大正製薬でも、認知拡大に加え、見込み客を実際の購買につなげる取り組みを重視するようになっているという。
その際、AIを活用することで、顧客理解や施策の検討をより細かく進められる可能性がある。ただし、栄角氏は「AIはあくまでも『思考の伴走者』」と位置付ける。
「この先も、主導権を握り、意思決定の中心にいるのは、人です」(栄角氏)
部門の壁を越え、AIを介して全員が同じ土俵で議論する──。個人作業を代行させるだけではないAI活用は、多くの企業のマーケティング部門にとっても参考になりそうだ。
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