電通グループが次世代型「AIコンタクトセンター」を提供開始 これまでと何が違うのか
電通デジタル、電通総研、イグニション・ポイント、電通プロモーションエグゼの国内電通グループ4社は、独自のAI戦略「AI For Growth 2.0」に基づく次世代ソリューション「AIコンタクトセンター」の提供を開始した。
電通グループ4社(電通デジタル、電通総研、イグニション・ポイント、電通プロモーションエグゼ)は、次世代ソリューション「AIコンタクトセンター」の提供を開始した。コンタクトセンターを起点としたAI活用により、業務効率化のみならず、問い合わせ顧客の体験価値や満足度の向上を目指す。
何が「次世代」? 自動化にとどまらないAI活用を重視
近年、顧客接点の多様化や期待値の高まりにより、コンタクトセンターには「迅速かつ的確な対応」「感情をくみ取る共感力」「24時間365日の可用性」「グローバル言語対応」など、高度な対応力が求められている。一方で、人材不足や属人化による品質のばらつきといった課題も顕在化し、これらの解決策としてAIの導入が加速している。
国内電通グループ4社は、AIとCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を活用した次世代ソリューション「AIコンタクトセンター」を開発。業務効率化だけでなく、顧客一人一人に最適化されたパーソナライズドな体験の提供を可能とした。
本ソリューションにより顧客満足度とLTV(ライフタイムバリュー)の向上を実現するという。また、コンタクトセンターで蓄積されたデータをマーケティングにも活用し、クライアント企業の事業成長を支援していく。
具体的には、4つのソリューションを提供する。
1つ目は「AIエージェントによる24時間365日の即時対応と、過去の問い合わせや感情を分析したパーソナライズされた解決策の提示」、2つ目は「FAQ対応や本人確認などの定型業務の自動化と、音声認識による会話のリアルタイムテキスト化・要約などによる後処理時間を削減」。
3つ目は「ナレッジマネジメントとリアルタイムガイダンスによる、スキルの平準化」だ。これにより新人教育の効率化とスキルアップに加えて、感情分析によるストレス検知によって離職率の低減を図る。
4つ目は、「蓄積されたデータの連携・活用」となる。マーケティング部門と連携・活用することで、より精度の高いパーソナライズ提案が可能となり、顧客の体験価値および満足度の向上につなげる。
国内電通グループは、「『AIコンタクトセンター』による『自動化』だけでなく、人間の判断力や共感力を引き出す『拡張』としてのAI活用を重視しながら、今後もソリューションの開発を進めていく」とコメントしている。
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