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世界のネットユーザーの9割超にパーソナライズされた広告配信を実現 広告大手PublicisがLotameを買収脱Cookieで一歩先へ

世界有数の広告会社であるPublicis Groupeが、独立系の共通IDソリューション企業であるLotameの買収を発表した。

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 2025年3月6日(フランス時間)、Publicis Groupe(以下、Publicis)はLotame Solutions(以下、Lotame)の買収を発表した(買収金額は非公表)。Lotameは109カ国で事業を展開しており、16億以上のIDと100以上のデータソースを基盤とする、世界でもトップクラスの独立系グローバルデータマーケットプレイスおよびアイデンティティソリューション企業だ。この買収により、Publicisはグローバル規模でのデータ活用能力をさらに強化し、デジタルマーケティング分野での競争力を高めることを目指している。

インターネットを利用する成人の91%にリーチ可能に

 広告業界ではここ数年、プライバシー規制の強化に伴い脱サードパーティーCookieの流れが加速している。この状況下で企業は、ターゲティングと計測を目的としたアドレサビリティー(宛先を指定する能力)確保のために、ファーストパーティーデータの活用やCookie代替手法への移行を迫られている。Lotameが提供する共通IDソリューション(推定ID)の「Panorama ID」もその一つで、世界の4000以上の主要ブランドとパブリッシャーが活用している。

 Publicisの23億のグローバルプロファイルをLotameと組み合わせることで、広告主は消費者プライバシーを保護しながらも精度の高いターゲティングを実現し、インターネットを利用する成人の91%に相当する約40億のユニークプロファイルに対してパーソナライズされた広告メッセージを届けることが可能になる。EpsilonとLotameの連携によるメリットは以下の通りだ。

  • グローバルにリーチを拡大:EpsilonとLotameの統合により、Publicis Groupeが保有する個別の顧客プロファイルは世界中のインターネットユーザーの90%以上をカバーする約40億に増加。この膨大なデータ量と、その幅広さ・深さにより、マーケターはより正確にターゲットオーディエンスを見つけ出し、効果的にアプローチできるようになる。
  • 専門知識と人材の強化:データ分野で19年間にわたり革新を続けてきたLotameの知見が加わることで、世界各地の市場に合わせた製品開発が可能になる。さらに、専門のエンジニアリングチーム、パートナーシップ管理チーム、運用チームがこれをサポートする。
  • 地域特化型の製品展開:Lotameは特に、アジア太平洋地域(APAC)と欧州中東アフリカ地域(EMEA)でのEpsilonの事業拡大を推進。これらの地域のパブリッシャーやデータパートナー、ブランドとの協力関係を継続・強化する。

 Lotameはこれまで日本でも、大日本印刷(DNP)やGesherとの協業を通じてCookieレス広告ソリューションを展開してきた。Panorama IDは、日本企業がプライバシー規制に対応しながら広告効果を維持するための重要なツールとなっている。この技術がPublicisのグローバルネットワークと融合することで、例えば世界への市場拡大を狙う広告主にとっては大きなシナジー効果を生むと考えられる。

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