検索
調査リポート

企業のメセナ活動 「社業との関連、企業価値創造のため」の回答数が同率首位に 2024年度「メセナ活動実態調査」

企業のメセナ活動において、社業や自社の価値創造に資する取り組みの重要性が増していることが明らかになった。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 公益社団法人企業メセナ協議会は、全国の企業・企業財団を対象に実施した「メセナ活動実態調査」の2024年度の結果をまとめた「Mecenat Report 2024」を公開した。調査対象は国内企業2126社、国内企業財団321団体。うち企業527社、企業財団200団体が回答した。

 企業メセナ協議会は、企業をはじめ芸術文化にかかわる団体や個人が参加・協働する民間の公益法人。企業による芸術文化支援(メセナ)活動の推進を中心に、文化振興に関する調査・研究、認定・顕彰、助成、交流、発信等の事業を行っている。

 企業のメセナ活動に取り組む目的は従来、「芸術文化支援のため」の割合が最も高かったが、2024年度調査では「社業との関連、企業価値創造のため」が同数となった。社業との関連、企業価値創造のために重視した点としては「地域社会との関係づくり」(80.9%)が最多で、「自社のイメージの向上」(70.0%)が続いた。3位の「自社を知ってもらうため」(49.0%)は4年前と比べ7.2ポイント上昇した。「宣伝広告としての効果」(38.5%)も4年前より4.5ポイント上昇している。


メセナ活動の取り組み目的(出典:企業メセナ協議会「Mecenat Report 2024」、以下同)

メセナ活動への参加を社員に呼びかけることで得られた成果は?

 メセナ活動への参加を社員に呼びかけているか聞いたところ、「呼びかけできる活動を行っていない」と回答した企業を除く大多数が「呼びかけている」または「呼びかけていないが今後は呼びかけたい」と回答した。自由回答では、活動への参加を呼びかけることにより、社員のウェルビーイング向上および企業理念や経営理念への社員理解の深まり、従業員エンゲージメント向上などの成果も得られていることが分かった。


メセナ活動への参加を社員に呼びかけているか

 「SNSを活用している」と回答した企業・財団の自由記述に記載されたSNSの種類を集計すると、企業では「Instagram」の割合が最も高く、「X」「Facebook」が続いた。一方、財団では「X」「Facebook」「Instagram」の順で多くなった。


活用しているSNS

 今回の調査結果から、企業メセナ活動が社業や企業価値創造と結びつく傾向が強まっていること、社員参加の促進が企業にも好影響を与えていること、そしてSNSを活用した情報発信が活発化していることが明らかになった。これらの傾向は、メセナ活動の継続性を高め、より多様で効果的な活動につながると考えられる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る