調査リポート
世界の広告総収入は1兆ドル超えへ デジタル広告が成長をけん引:GroupMが予測
2024年の世界広告収入が初めて1兆ドルを突破する見通し。デジタル広告の拡大が成長を支え、AIの活用が市場の変革を加速している。
世界の広告総収入が初めて1兆ドルを突破する見通しだ。これは、WPP傘下のメディアエージェンシーであるGroupMの最新レポート「This Year Next Year 2024年度末世界広告予測」で明らかになった。
2025年以降はどうなる?
過去12カ月間の広告投資を分析して2025年以降の予測を共有するこのレポートによれば、2024年の広告収入は前年比9.5%増の1兆400億ドルに達し、2025年にはさらに7.7%増加して1兆1000億ドルに達するという。
この成長の主な要因は、デジタル広告の拡大だ。2024年のデジタル広告が12.4%成長し、広告全体の72.9%を占めるとされている。中でもリテールメディアのセグメントは急速に拡大しており、2025年には世界で1771億ドルに達する見通しだ。これにより、ストリーミングを含むテレビ全体の収益を初めて上回ると見られている。
地域別では、米国と中国が引き続き主要市場となる。米国の広告収入は2024年に9.0%増の4002億ドル、中国は13.5%増の2045億ドルに達すると予想されている。また、英国は日本を僅差で上回り、世界第3位の広告市場となる見込みだ。
一方、伝統的なメディアである印刷広告は減少傾向が続いており、デジタル化の進展とAIの影響がその主な要因とされている。屋外広告(OOH)はデジタル屋外広告(DOOH)の強力なパフォーマンスによって市場シェアを維持しており、2025年にはOOH全体の収益の42%を占めると見られている。
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