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プログラマティック広告はどう変化? 米国レポートから見える「今後の動向」Marketing Dive

CTVとプライベートマーケットプレイスへの広告支出のシフトにより、米広告業界ではプログラマティック広告において前向きな動きが見られる。

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Marketing Dive

 プログラマティック広告は、効率性、透明性、効果の向上に向けて進化しており、メディアチャネルが増加する中でもその傾向は変わらない。全米広告主協会(ANA)の「2024 Programmatic Transparency Benchmark Study(2024年版プログラマティック透明性ベンチマーク調査)」はそう述べている。

プログラマティック広告の注目トレンドは「CTV」「PMP」

 ANAの最新ベンチマーク調査(外部リンク/英語)では、21の広告主による385億のインプレッションと、総額2億3500万ドル以上の広告支出を分析した。比較対象となる2023年の調査ではほぼ同じインプレッション数(355億)が測定されたが、広告支出は1億2300万ドルにとどまっていた。

 調査によれば、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)に投入された1000ドル当たり、43.9%が消費者に届く結果となり、2023年の計測と比べて7.9%の向上を記録した。これにより、1000ドル当たり79ドルの追加価値が生まれている。

 また、マーケターは低価値の広告用に作られた(MFA)パブリッシャーへの支出を2023年の15%から2024年には6.2%に削減している。この領域ではドメインやアプリ数の減少が確認されており、より良質で安全な広告配置への移行が進んでいる。

 2024年版の調査で特に注目すべき点は、コネクテッドTV(CTV)が調査対象に加わったことだ。モバイルおよびタブレットデバイスがプログラマティック支出の主力であり、全体の44%を占める。一方で、CTVも急速に成長しており、広告支出の28%を占めている。

 「プログラマティック広告におけるCTVの重要性の高まりは、調査に参加したマーケターの80%がこのプラットフォームを利用しているという事実によって裏付けられており、CTVがオーディエンスにリーチするための主要なメディアとして業界全体がシフトしていることを示している」と報告書は述べている。

 2023年の調査からのもう一つの大きな変化は、オープンマーケットプレイスからプライベートマーケットプレイス(PMP)への支出の移行だ。2023年には、プログラマティック広告支出の59%がオープンマーケットプレイスに割り当てられ、41%がプライベートマーケットプレイスに割り当てられていることをANAは発見した。2024年の調査ではその割合が逆転し、オープンマーケットプレイスには41%、プライベートマーケットプレイスには59%の支出が行われている。

 オープンマーケットプレイスからの移行は、マーケターがパブリッシャーとの密接な関係やコンテンツキュレーションの強化、広告配置および設定に関する透明性と制御向上を求めていることを示している。CTVを取り入れると、この傾向はさらに顕著になる。プログラマティック広告支出のうち、オープンマーケットプレイスに占める割合はわずか34%であり、66%がプライベートマーケットプレイスの取引に振り向けられている。

 CTV支出の増加とプライベートマーケットプレイスへの支出の増加に伴い、業界ではサプライヤーがログレベルデータ(LLD)を提供する動きが見られ、これには多くのCTVデータポイントが含まれるようになった。ANAはこの進展を評価したものの、「まだいくつかの課題が残っている」と指摘した。報告書には、広告主がサプライヤーにLLDへのアクセスを要求することで、「さらなる最適化の機会を見つけ、リアルタイムで情報に基づいた意思決定を行う」ことができるとする推奨が含まれている。

 「より多くの広告主がLLDにアクセスできるようになり、ベンチマークが成熟するにつれて、プログラマティックメディア、特にウォールドガーデンやリテールメディアが、公平で責任ある効率的なグローバルマーケットプレイスとして機能する未来を描いている」と報告書は述べている。

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