ハッシュタグはオワコン? イーロン・マスク氏も「使うな」と投稿、その意図は……:Social Media Today
ハッシュ記号(#)とキーワードを連結させることで投稿のトピックを明示する「ハッシュタグ」の在り方が大きく様変わりしている。X、Instagramなど主要SNSの運営側はどう考えているのか。
現代のソーシャルメディアにおいて、ハッシュタグの有用性は低下しているのではないか?
この疑問は特に2024年において顕著となった。特に、Threadsが1投稿につき1つのハッシュタグに制限するなど、ハッシュタグの使用方法に変化が見られる。
ハッシュタグにできることはまだあるか? 主要SNSの見解は……
この制限は、人気トピックに無関係な投稿があふれ返るのを防ぐ目的があるが、同時に手動でのハッシュタグの価値が低下していることも示している。現代のアルゴリズムやソートシステムは、投稿内容自体から文脈やトピック情報を推測できるようになっている。
LinkedInはハッシュタグをサポートしつつも、会話のトピックやキーワードを考慮して、プロフェッショナルがキャリアを進展させるための関連情報を提供している。これにより、セマンティック検索能力の進化が、発見のためのハッシュタグの必要性を実質的になくしている。さらに、X(旧Twitter)のオーナーであるイーロン・マスク氏は、ユーザーに対してハッシュタグの使用を控えるよう直接呼びかけている。マスク氏は、システムが「もはやハッシュタグを必要としない」と述べており、ハッシュタグが以前ほどの価値を持たなくなっていることを示している。
では、ハッシュタグがリーチやエンゲージメントの向上に役立つ可能性はあるのだろうか。
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏によれば、ハッシュタグは特定のコミュニティーと投稿を結びつけるのに役立つものの、全体的なリーチの向上にはほとんど効果がない。また、LinkedInの専門家であるリチャード・ヴァン・デル・ブロム氏の研究(外部リンク/英語)でも、ハッシュタグがLinkedInでの投稿リーチの拡大に寄与しないことが示されている。
それでも、ハッシュタグはコミュニティーの構築やつながりの強化という点では役立つ場合がある。ハッシュタグを通じた発見により、新しいグループやフォロワーを獲得できるかもしれない。ただし、これらは人気のトレンドとは関係ないことも多い。一部のソーシャルメディアアドバイザーや専門家は、ハッシュタグがリーチの向上に役立つと主張する。だが各プラットフォームからのフィードバックを総合的に判断すると、ハッシュタグはこの点で大した効果を持たないという結論になる。
実際、Instagramはハッシュタグをフォローするオプションを削除している。一方で、Threadsのチームはユーザーに対して投稿にトピックタグを追加することは推奨している。このように、ハッシュタグの使用方法や存在意義については矛盾した考え方が存在する。いずれにせよ、アルゴリズムやシステムが投稿の文脈からトピックの関連性をより正確に検出できるようになったため、ハッシュタグの体系的な価値は以前ほど高くないと考えられる。
従って、ハッシュタグを追加することで適切なオーディエンスとつながることができるかもしれないが、ユーザーごとにカスタマイズされた「おすすめ」フィードが主流となった現在、最も関連性の高いコンテンツを適切な人々に届ける上で、ハッシュタグが果たす役割はそれほど重要ではなくなっている。投稿本文で明示的に言及していないトピックをターゲットにしたい場合にはハッシュタグを追加することを検討してもよいだろう。だが、現在ではプロフィールレベルでのマッチングも行われているため、正確な用語を含めなくても適切なオーディエンスにリーチできる可能性が高い。
いずれにせよ、2025年のアプローチを考える際には、パフォーマンスを最大化するために何をすべきかを検討する価値がある。プラットフォーム自体がハッシュタグを必要としないと述べている以上、戦略的な考慮事項としてハッシュタグを使用するのは、すでにそうしていない場合には、見直す時期かもしれない。
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