なりすまし型「偽広告」の実態は？ LINEヤフーが広告サービス品質に関する透明性レポートを公開：なりすまし型「偽広告」の審査実績を初公開

[ITmedia マーケティング]

　LINEヤフーは2024年12月17日、広告サービス品質向上のための審査実績をまとめた2024年度上半期（2024年4月1日〜9月30日）の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開した。

　今回のレポ―トでは初めてYahoo!広告とLINE広告における、なりすまし型「偽広告」（個人や会社の写真などを無断で利用してその人や会社になりすまし、投資セミナーや投資ビジネスへの勧誘などを図る広告）に関連する審査実績を追加した。

なりすまし広告、ユーザーからの掲載停止申告はゼロ件だったが……

　Yahoo!広告では、2024年度上半期は約8900万件の広告素材（※）を非承認とした。2023年度下半期と比較して非承認数が大幅に増加した。検索広告において、URLの文字列の誤りにより適切に表示されないサイトの入稿など「ユーザーの意に反する広告の禁止」の掲載基準での非承認の大幅な増加が主な要因だ。

※LINEヤフーの広告掲載基準や広告入稿規定、広告販売ルールに抵触した広告のタイトルや説明文、画像、リンク先のWeb、キーワードなどの各非承認数を合計した件数で、広告単体の件数ではない。

Yahoo!広告、広告素材非承認数の比較（出典：LINEヤフー「広告サービス品質に関する透明性レポート」、以下同）

　LINE広告では、2024年度上半期は約10万2000件の広告素材を非承認とした。2023年下半期からは若干増加した。広告素材の非承認割合としては、約8割がクリエイティブ（主に画像や動画）の非承認だった。非承認の理由は、「各種関連法規に抵触する可能性がある内容」が約6割を占めた。具体的には、化粧品での「効能効果を逸脱する表現」や健康食品・雑貨（美容関連商材、健康機器等）での「標ぼう可能な範囲を逸脱する表現」、医療広告基準の「費用を強調した広告」や「広告可能範囲を超える表現」などが挙げられる。なお、LINE広告とYahoo!広告では、広告素材のカウント対象や算出方法が異なる。

Yahoo!広告、広告素材非承認数の比較

　なりすまし型「偽広告」については、Yahoo!広告、LINE広告ともに、ユーザーからの広告掲載停止申告（肖像権侵害、または「なりすまし」を理由とする申告）は0件だった。一方で、なりすまし型「偽広告」による詐欺で用いられることの多い手口を禁止する「未認証のLINE公式アカウントや個人のLINEアカウントへの友だち追加を促すもの」の基準（Yahoo!広告掲載基準／LINE広告審査ガイドライン）基づいて非承認とされた件数は、2715件だった。