いよいよ米国で禁止へ 「トランプ大統領」がTikTokを救う可能性は……?:Social Media Today
ドナルド・トランプ氏は2024年の米大統領選挙で当選後、TikTok売却法案について方針を明らかにしてこなかった。しかし、記者会見でこの件について聞かれ、「TikTokに温かい感情を抱いている」と発言した。
TikTokを救うためにドナルド・トランプ氏の介入を期待しているなら、今のところ楽観視できる状況ではないかもしれない。
TikTokは米国での排除まで残り33日となり、米国規制当局はAppleとGoogleに対し、アプリストアからの削除準備を指示している。だが、次期大統領のトランプ氏は選挙戦中に表明していた「当選したらアプリを救う」という発言について、依然として明確な態度を示していない。
いよいよ米国で禁止へ トランプ氏がTikTokを救う可能性は?
そもそも、トランプ氏にできることは限られている。
2024年12月初め、米国控訴裁判所はTikTokの「売却強制法案」に対する異議申し立てを棄却した。これにより、TikTokは1月19日までに米国企業へ売却されない限り、米国市場から排除されることになる。TikTokは命令の発効を遅らせるための緊急差し止め命令を申請しているが、さらなる法的対抗措置の余地は少ないのが現状だ。
そして、残された期限は数週間。今からTikTokが米国企業への売却をまとめることは不可能だ。つまり、上院で承認された売却法案を誰かが覆さない限り、TikTokの米国撤退は免れない。
それでもトランプ氏がTikTokを救う可能性はまだある。
選挙戦中、トランプ氏は繰り返し「当選すればTikTokを救う」と語り、自身もTikTok上で「大スターになった」と述べていた。トランプ氏はTikTokや人気ポッドキャストを活用して新たな層にリーチし、その結果、アプリ内で数百万人のフォロワーを獲得した。
その注目が、トランプ氏をTikTokに好意的にさせたのかもしれない。
今週TikTokに対する姿勢を問われたトランプ氏は、こう答えている。
TikTokについて検討するつもりだ。私はTikTokに温かい感情を抱いている。
しかし、現時点でトランプ氏は、この売却法案をどのように撤回するのか、具体的な方針は示していない。
理論的には、トランプ氏が大統領令を用いて法案の影響を弱める可能性もあるが、それには上院の決定を覆す必要があり、極めて大きな政治的判断となる。また、トランプ氏がより間接的な手段で法案を回避することも考えられるが、現行の法案はすでに上院を通過し、現大統領の署名も得ているため、短期間での交渉余地はほとんどない。
では、TikTokの「終了」が確定したのか? 完全にそうとは言えない。
TikTokが執行停止命令を勝ち取り、法案発効を遅らせれば、トランプ氏が就任後にさらなる措置を講じる時間を確保できる可能性もある。可能性はゼロではないが、現状では非常に厳しい状況であり、売却以外に明確な解決策は見当たらない。
今から「TikTok後」の生活に備えるべきだろうか?――おそらくそうだろう。ただし、コンテンツを全てダウンロードして移行を検討するまでには、あと数週間の猶予がある。
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