「イカゲーム」人気にドミノ・ピザも便乗 NetflixとCM共同制作の狙いは?:Marketing Dive
ケイト・トランブル氏がDomino’sのCMO(最高マーケティング責任者)に正式に就任して初の施策は、同社のマーケティング活動の中心となっている「Emergency Pizza(緊急ピザ)」キャンペーンをさらに発展させたものである。
Domino’s(ドミノ・ピザ)は人気ドラマ「イカゲーム」シーズン2の放送に先駆けて、命がけのゲームに挑む参加者に、緊急時に無料でピザが1枚もらえる「エマージェンシーピザ」のCMを放映する。このキャンペーンは、Domino’sの専属広告代理店であるWorkInProgressと共同で制作されている。Domino’sがNetflixのテレビ番組と提携するのは今回が2回目であり、Netflixが広告プラットフォームとしての存在感を高めつつあることを物語っている。
あの名場面でまさかのコラボ
Domino’sの最新プロモーションは、2024年11月1日にケイト・トランブル氏がCMO(最高マーケティング責任者)に就任後初めての取り組みとなる。トランブル氏はCMO就任以前、Domino’sのブランド責任者として「エマージェンシーピザ」キャンペーンの開発を主導してきた。2023年に初公開されたこのキャンペーンは売り上げの再活性化に役立ち、ロイヤルティープログラムの参加者を200万人も増やすなど、結果を出している。
Netflixとの共同キャンペーンでは、「イカゲーム」の緊張感あふれるゲームの世界でエマージェンシーピザがどのように役立つかを描いた2本の新しい動画が公開される。1本目の動画は、11月30日にカレッジフットボールの試合中に初公開された。この動画では、「だるまさんがころんだ」のゲーム中に動いてしまったプレイヤーが、撃ち殺される直前にピザを注文する。ピザは競技場の床に設置されたトラップドアから届けられ、その動きが殺人装置の注意をそらし、最終的にプレイヤーの命を救う。
2本目の動画では、プレイヤーが慎重に切り出そうとしていたタルゴナ(カルメ焼きの型抜き)を割ってしまう場面が描かれる。ピンクの警備員が処罰を下そうと近づく前に、プレイヤーはエマージェンシーピザを注文し、それを賄賂として警備員に渡す。そして完璧に型抜きされたタルゴナとゲームを続行する権利を手に入れる。この動画は、アカデミー賞ノミネート監督のテッド・メルフィー氏が演出し、Netflix(広告つきプラン)の他、地上波テレビや両ブランドの有料およびオーガニックのソーシャルメディアで公開される予定である。
さらに、Domino’sはニューヨーク市で開催される「Squid Game: The Experience」にも協賛する。この体験型イベントでは、プレイヤーたちが番組にインスパイアされた5つのチャレンジに挑む。12月12日には、各グループで最下位のスコアを記録したプレイヤーに、1年間無料でエマージェンシーピザを注文できる500ドル分のギフトカードが贈られる予定だ。「イカゲーム」のシーズン2は12月26日に公開される。
「Domino’sが再び斬新なアイデアを持ち込んでくれたことに興奮しています。『イカゲーム』のプレイヤーほど緊急事態を理解している人々はいないので、エマージェンシーピザキャンペーンはこの作品にぴったりのコンセプトでした」と、Netflixのパートナー&ブランドマーケティング担当副社長のマグノ・ヘラン氏はプレスリリースの中でコメントしている。
Domino’sは以前、NetflixのSFホラードラマ「ストレンジャー・シングス」シリーズとのコラボで「念力注文アプリ」を使用したプロモーションを展開した。こうした動きは、Netflixが広告プラットフォームとしてブランドとのパートナーシップを強化する方法を模索していることを示している。
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