SEOを強化するサイトの9割超が表示速度を重視 で、対策にいくら投資している?:Repro「Webサイトの表示速度改善についての実態調査 2024」
Reproが「Webサイトの表示速度改善についての実態調査 2024」レポートを公開。表示速度改善とSEO対策の関係に迫るデータを紹介している。
Webとアプリの収益最大化を支援するReproは、Webサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施した。表示速度改善に対する認識や取り組みの実態を紹介し、特にSEO(検索エンジン最適化)対策との関係に迫るデータをピックアップして分析、考察している。
表示速度の改善にかかる1カ月当たりの費用は?
今回の調査で、Webサイト運用担当者の7割以上、またSEO対策に積極的に取り組んでいる担当者では97.8%が、表示速度の重要性を認識していることが分かった。
SEO担当者に限定して表示速度の重要性の認識について尋ねたところ、「SEO」との関係性よりも「顧客体験」「リピート率」との関係性を挙げる人が多くなったのは興味深いところだ。顧客体験がSEOにとって重要であることを前提として、より広い視野でWebサイトの表示速度に向き合っていることがうかがえる。
SEO担当者の表示速度改善への取り組み経験は「過去に取り組んだことがある」が22.6%、「現在取り組んでいる」が40.6%で、合わせて6割以上となった。また、SEO担当者のうち「表示速度をモニタリングしておりKPIとしても設定している」と回答したのは46.5%、「モニタリングしているがKPIとしては設定していない」が27.1%となった。これらの数字をSEOを担当領域としていない人と比べると明らかに高く、SEO担当者が表示速度改善の推進役になりつつある様子がうかがえる。
そもそも表示速度とSEOの関係性が急速に注目され始めたのは、Googleが「Core Web Vitals」をランキングシグナルに採用されてからのことだ。Core Web Vitalsはユーザー体験を定量化した指標であり、表示速度を重要視するSEO担当者の中で顧客体験を理由に挙げる人が多いのは「表示速度の改善=検索順位の上昇」という短絡的な思考ではなく、本来の意味を正しく理解しているからと考えられる。
しかし、そんなSEO担当者でも、Core Web Vitalsについて詳しく理解できている人は少ない。Core Web Vitalsについて「完全に理解しており構成要素の説明ができる」と回答したSEO担当者は27.7%で、全体の約4分の1にとどまった。
今回の調査では、表示速度改善のために取り組んだ施策について、実装と運用に要したコスト(取り組み中であれば見積もっている金額)についても聞いている。、HTML最適化、Webサイト全体の表示速度改善ツールの導入、不要タグの削除、サイトリニューアルなど、施策によってばらつきはあるものの、どの施策でも回答者の半数以上が、月40万円以上の投資が必要だと回答している。
さらに、Webサイトの表示速度改善施策の実装にかかる期間(見積もり期間も含む)について聞くと、どの施策においても半数以上の回答者が6カ月を超える期間を要したと答えている。計画、実行、測定、対策といったいわゆるPDCAの実施を必要とする広告や、CPR(コンバージョンレート最適化)などの施策とは異なり、表示速度の改善は一朝一夕に実現するものではなく、長い時間をかけて運用するものであることが見えてきた。
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