米大統領選挙後にXユーザー「大量流出」? うわさの真相は……:Social Media Today
ユーザーのX離れXがリアルタイムの情報発信において他の追随を許さない存在であることは事実であり、多くの人は引き続きXを利用している。
2024年の米大統領選挙後、X(旧Twitter)のユーザー「大量流出」に関する議論が多く見られ、Xのアカウントを解除する人が過去最多になったと報じられた。
しかし、それは事実なのだろうか。Xが毎日何百万人ものユーザーを失い、急速に存在意義を失っているというのは本当なのだろうか。
Bluesky利用急増などのデータをどう読めばいいのか?
答えは「おそらく、誰にも分からない」である。真相を知るのはXの内部関係者だけであり、彼らが自身に不都合なニュースを共有するとは考えにくい。さらに、XはかつてのTwitterのような公開企業ではなくなったため、一般に対して業績を公表する義務もない。
外部のデータを用いてXのユーザー離れを示唆する指標はあるものの、それらは決定的なものではなく、「Xが衰退している」と断定するには大きな飛躍がある。少なくとも、現時点ではXが終焉を迎える段階には至っていない可能性が高い。
例えば、Similarwebが発表したXの利用状況に関するレポート(外部リンク/英語)で最も引用されたものの一つに、選挙当日に11万5000人以上の米国のWeb訪問者がXのアカウントを停止したというものがある。
米国の政治的分裂が懸念を高め、イーロン・マスク氏のソーシャルメディアプロジェクトからより多くの人々が離れていったこと自体は大きな驚きではない、しかし、このデータは非常に不完全だ、というのも、Similarwebが追跡できるのはWebサイトのトラフィックのみであり、このグラフはx.comのアカウント解約ページへの訪問を意味するだけだからだ。SimilarwebはXアプリ内のアクティビティーに関するデータは持っていない。X利用者の88%以上がモバイルアプリを使っているとされるが。Xアプリ内のアクティビティーに関するデータは公開されていない、全体的な使用量のほんの一部に基づく仮定は、文字通り単なる仮定にすぎないのだ。
このデータは、より広い傾向を示しているのかもしれない。だが、Xの全体的な使用量のほんの一部にすぎないため、何とも言えない。
他の指標もある。例えばこの1週間でBlueskyの利用者が急増し、多くのフォロワーを持つ学者がXのアカウントを閉鎖した。また、ThreadsやBlueskyの多くのユーザーがXのアカウントを削除したと発表しているというエピソードもある。
つまり、マスク氏のXプロジェクトには何か異変が起きているように見える。しかし、それが重要な変化であると示唆するのは、やはり思い込みが過ぎる。
というのも、X自体は記録的な利用率の高さを誇示し続けており、トランプ氏の勝利を受けて、より多くの人々や広告主がこのプラットフォームを再考しているとの指摘もあるからだ。世論調査の結果が、Xのユーザーたちが言っていることの多くを反映しているという事実は注目に値する。これは、アナリストたちが予想していたよりも多くの人が、実際にはマスクとXに同調していることを示しているのかもしれない。
つまり、Xは多くの報道が示唆するよりも、実際には良い位置にいるのかもしれない、しかし、実際のデータにアクセスできるのはXのスタッフだけなので、これもまたわからない。そして、彼らはすべてうまくいっていると言っている。
誤解しないでほしいのだが、Xのスタッフはこれまで一貫して誇張されたデータや都合の良いデータを選んで提示してきた。そのため、彼らの発言を鵜呑みにするのは適切ではない。しかし、何度も言うが、結局のところ真実は分からないのだ。とはいえ、選挙期間中にXが大幅な利用増を見せたことから、Xがリアルタイム情報の発信プラットフォームとして、依然として重要な役割を果たしているのは明らかだ。現時点でその代替となる存在は見当たらない。
Pew Researchのデータも同様の傾向を示している(外部リンク/英語)。最近になってXから離れる動きがあるものの、それほど顕著ではないというのだ。この調査は選挙前に実施されたものであるため、完全に現在の状況を反映しているわけではない。しかし、それでも予想されていたような大規模なユーザー離脱は見られていない。
分かっていることは、Xの内部データによれば、2024年を通じて欧州のログインユーザー数が約100万人減少したということだ。また、ログアウト状態のゲストユーザー数はさらに大きく減少している。この傾向を全体的な指標と見なせば、Xは世界中で注目を失いつつあると推測できる。ただし、この減少が著しい規模に達しているわけではない。
さらに、Xが最後にアクティブユーザー数を公式発表したのは2024年3月で、この時点で日次アクティブユーザー数は2億5000万とされていた。2024年6月には月間アクティブユーザー数が5億7000万に達したとされているが、これも目立った成長や注目度の高まりを示すものではない。ログアウトユーザーの閲覧制限を導入したことがこの増加の一因と見られるが、これが大きな興味や利用意欲を引き起こしたわけではない。
Xの月間アクティブユーザー数はこの1年で7000万人増えたが、デイリーアクティブユーザー数は2年間増えていない。これもプラットフォームの勢いが停滞していることを示唆している。Xがログアウトしたユーザーの閲覧に制限を加えていることを考えても、Xが大きく成長してはいないことを示している。
しかし、多くの人が以前ほど頻繁に利用していない一方で、Xは今も多くのユーザーがチェックする場となっている。特に、いくつかの分野やコミュニティーでは依然として最適なニュース速報アプリであり続けている。
かつては、Twitterの四半期ごとの業績報告やAPIを利用した研究者が、アカウント削除などの動向を大規模に追跡できたが、現在はイーロン・マスク氏と彼のチームがこれらの研究者のアクセスを大幅に制限している。これは、Xの投稿をAI開発者の手から遠ざけるためとされている。
総合的に見て、現時点でXが「死にかけている」と言うことはできない。そして、マスク氏が当選したドナルド・トランプ大統領の耳に入る立場である限り、Xは一定期間その存在感を維持すると予測される。
気に入らないかもしれないが、現実としてXは今も多くの人々に価値を提供しているのだ。
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