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AppleとMetaの戦い――AR・ウェアラブル領域で、勝つのはどっち?Social Media Today

Metaは年次イベント「Meta Connect 2024」において最新のARグラス「Orion」のプロトタイプを発表した。これにより、現在のARとウェアラブル市場の状況と主要プレーヤーの位置づけがはっきりしてきた。

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 Metaは年次イベント「Meta Connect 2024」において最新のARグラス「Orion」のプロトタイプを発表した。これにより、現在のARとウェアラブル市場の状況と主要プレーヤーの位置づけがはっきりしてきた。

 ここで取り上げるべき主な3つのデバイスは、「Meta Orion」と「Snap Spectacles」、そして「Apple VisionPro」である。それぞれに長所と短所があり、それが長期的に有利に働くかどうかは不明だ。

Apple「VisionPro」とMeta「Orion」 それぞれの長所と短所は?


Meta Orion

Snapchat Spectacles

Apple VisionPro
Meta Orion Snapchat Spectacles Apple VisionPro
価格 未定 未定(開発者向けは月額99ドル) 3499ドル
バッテリー寿命 2時間 45分 2時間
視野角 70度 46度 100度
重量 98グラム 226グラム 649グラム
カメラ数 7 4 12
視野角の解像度(PPD) 13 37 34

 比較してみると、Snapは視野角がかなり狭く、技術的な面で他社に遅れをとっているようだ。一方で、解像度の点では限られた範囲内で他より優れている。

 重量に関しては、Orionが現時点では大幅にリードしている。Metaはこのデバイスを「小型化の技術的偉業」と称し、軽量でありながら必要な全ての技術を搭載することに注力してきたからだ。

 一方、AppleのVisionProは視野角が広いが、その重量は携帯して使うには適していないように感じられる。

 この点で、Metaは日常的に使える実用的なウェアラブルデバイスの開発において先行しているようだ。MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、将来的にはメガネが多くのアプリケーションでスマートフォンに取って代わると予想しており、この文脈ではMetaは正しい道を進んでいるようだ。

 もちろん、多くの点は価格と技術の普及可能性にかかっている。

 Metaはこの側面にも力を入れている。「The Verge」(外部リンク/英語)によるとAppleが2023年にVisionProを発売した際、ザッカーバーグはMeta Questと比較して「製品の価値が低い」とさりげなく批判し、両社の「価値観やビジョンの違い」を示すものだと述べていた。

 Metaは市場支配には普及が鍵となることを理解しており、そのためOrionの価格についてはまだ明言していない。しかし、ザッカーバーグは「今後5年以内にスマートフォンやノートパソコンと同等の価格で提供できる」と自信を見せている。つまり、本質的にMetaはより広範なメタバースビジョンの一環として、コストを削減し、市場のシェアを拡大することに強い動機を持っている。

 私たちはすでに、技術が向上しているにもかかわらず価格を下げ続けている同社のヘッドセット「Quest」でこれを目の当たりにしている。Metaは、「Horizon Worlds」のようなVR体験により多くの人々を参加させたいと考えており、長期的な利益を得るためにコスト面を負担する理由が、この分野の他のプレーヤーよりもあるのは間違いない。

 Metaはデジタル体験やイベントと連動したアプリ内課金で稼ぐつもりのようだ。SnapやAppleも同じようなものを提供できるだろうが、Metaが探っているような規模には及ばないだろうし、最終的には、Metaの方がユーザーとのエンゲージメントの規模によって、最大限の利益を得られる可能性が高いように思える。

 このアプローチはソーシャルアプリから学んだものであり、VisionProを競争から脱落させる戦略となる可能性が高い。もっともAppleはそもそも、デバイスの価格が高過ぎて、はなからAR/MR市場に入れないでいるようにも思えるが。

 しかし、まだ分からない。というのも、Metaはまだ消費者に最適な価格を模索している最中だからだ。ただし、MetaにはすでにRay-Ban Metaスマートグラス の販売実績があり、消費者が同様のデバイスにいくらまで支払うかを把握しているため、市場の機会を最大限に活用することはできるだろう。

 さらに、Metaにはすでに流通ネットワークが存在する。Ray-Banの製造元であるEssilorLuxotticaとのパートナーシップは、消費者向けに魅力的なARグラスを開発する助けとなっている。

 SnapのAR Spectaclesは、魅力も快適性も劣り、重量も2倍だ。実際、Snapはかつて唯一のスマートグラスの消費者製品ネットワークを持っていたにもかかわらず、知らず知らずのうちにその優位性を失ってしまった。

 Metaはこの分野でははるかに遅れていたが、いまやMeta Ray-Banがはるかに大きな売り上げを誇っており、Snapの優位性は消えた。

 では、どのARグラスが最終的に勝利するのだろうか。そして、消費者向けARは本当に大きな市場となるのだろうか。

 バランスから言えば、Metaはそのチャンスを最大限に生かせる最良のポジションにいるように見える。一方で、Snapは資金力のある競合他社に対抗するのが難しいだろう。

 AppleのVisionProは誰が見ても良いデバイスだが、大量に普及させるには価格が高過ぎる。また、Appleはこの体験の中で人々をつなぐAR/VRエコシステムへの投資もしていない。

 Metaは全ての要素をカバーしており、そのグラスは日常生活で実際に使用される唯一のデバイスであるように見える。

 したがって、現時点ではMetaがリードしているようだが、今後も多くの発展があり、多くのことが変わる可能性がある。

 しかし、ARは実際に普及するのだろうか。私は、その可能性は十分にあると思う。次世代ARデバイスを実際に体験した人はまだ少ない。だが、スマートグラスの普及に関するトレンドやAIなど他の関連分野の進展を考えると、多くの批判を浴びているMetaのメタバースビジョンが、段々と賢明なものに見えてくる。

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