Snapchatが連携先をChatGPTからGoogle Geminiに変更 何が変わった?:「My AI」内でのマルチモーダル生成AI体験を強化
SnapはGoogle Cloudとの提携を強化し、チャットbot機能「My AI」でマルチモーダル生成AI体験を実現した。
「Snapchat」の開発元であるSnapは2024年9月24日(米国時間)、Google Cloudとの戦略的パートナーシップを拡大し、SnapchatのAI搭載チャットbot「My AI」内で生成AI体験を強化したことを発表した。
Geminiのマルチモーダル機能とは?
My AIは現在、最も利用されている消費者向けチャットbotの一つだ。Snapは、これにGoogle Cloudの企業向け生成AIプラットフォーム「Vertex AI」に搭載された「Gemini」の強力なマルチモーダル機能を活用する予定だ。
この技術は、テキスト、音声、画像、動画、コードなど、さまざまな形式の情報を理解し操作する能力に優れており、Snapchatユーザーに対して、My AIを通じてより魅力的で革新的な機能を提供することができる。具体的には、旅行中にMy AIに街の標識の写真を翻訳してもらったり、さまざまなスナック菓子を撮影して、どれが最も健康的かを尋ねるといったことができるようになる。
Google Cloudの生成AI技術によって強化されたマルチモーダル機能は現在、米国の全てのSnapchatユーザーがMy AIで利用できるようになっている。
OpenAIからGoogleへ
2011年にサービスを開始したSnapchatは、友人や家族と視覚的に楽しく素早くコミュニケーションを取るための手段として広く支持されてきた。これらのコアバリューが他のインターネットプラットフォームとの差別化に寄与し、月間アクティブユーザーは8億5000万人を超えるまでに成長した。
SnapはSnapchatの開始以来Google Cloudとパートナーシップを継続しており、Google Cloudのデータ、分析、AI/ML技術を採用して成長を促進し、顧客体験を形作ってきた。
My AIの生成AI機能は2023年2月にサービスを開始した時点ではOpenAI の GPT テクノロジー をベースにしていたが、GoogleのAIモデルを活用することで、テキストのみならず画像や動画も処理できるようになった。
SnapはAIへの投資を継続しており、Gemini on Vertex AIをMy AIのサポートに導入して以来、米国内でのMy AIとのやり取りは2.5倍以上に増加した。
「Google Cloudとのパートナーシップは、私たちのコミュニティーをサポートするために重要な全てを強化するものです。Snapは、人々が自己表現をし、その瞬間を楽しみながら世界を学び、友達と共有できる力を提供します。Geminiを搭載したMy AIを通じて、Snapchatユーザーは、瞬時に多くのことを学び、それを簡単に友人と共有することができるようになります」とSnapのCEOであるエバン・シュピーゲル氏はGoogle Cloudのプレスリリース(外部リンク/英語)の中で述べている。
同じプレスリリースの中でGoogle CloudのCEOを努めるトーマス・クリアン氏は「Snapは、デジタルの世界で人々のコミュニケーションを支援する早期のリーダーであり、今や生成AIを活用してコミュニティに新たな価値を提供するエージェントを構築する最前線にいます。Geminiモデルが搭載されたVertex AIは、Snapchatアプリ内で毎日数百万のマルチモーダルなやり取りを可能にしており、ユーザーがMy AIとより良く関わることができるようにし、精度と安全性を兼ね備えた機能を提供しています」とコメントしている。
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