暑すぎる! 2023年の世界の年間平均気温「何度上昇したか」知っている人はどのくらい?――電通調査:今日のリサーチ
電通は、日本におけるカーボンニュートラルに関する認知や関心の実情を把握し、浸透策を検討することを目的に、第14回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施しました。
国内電通グループ横断でサステナビリティーに関するプロジェクトを推進する組織「dentsu carbon neutral solutions」は、日本におけるカーボンニュートラルに関する認知や関心の実情を把握することを目的に、第14回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施しました。調査対象は全国の15〜79歳の5万人。
2015年12月に採択されたパリ協定で「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度より十分低く保つとともに、1.5度に抑える努力を追求すること、適応能力を向上させること、資金の流れを低排出で気候に強靱な発展に向けた道筋に適合させること等によって、気候変動の脅威への世界的な対応を強化することを目的とする」という目標が掲げられました。そうした中、2023年は産業革命以前と比べて観測史上最高の約1.5度上昇しました。
で、それをどのくらいの人が知っていた? 具体的な数値や内容となると……?
調査では、この事実について「知っていた」または「見聞きした」と回答した人は合わせて6割程度でした。さらに、具体的な数値や内容まで知っていた人となると約1割にとどまりました。年代別では70代、15〜19歳の順に認知度が高いという結果でした。
平均気温の上昇を1.5度以内に抑えなくてはならない状況の中で2023年の世界の年間平均気温が観測史上最高となる約1.5度上昇したことについて知っていたか(出典:電通「カーボンニュートラルに関する生活者調査」、以下同)
2023年の平均気温の上昇に対する自由回答を分析したところ、最多回答は「地球が住めない環境になる」(5.5%)でした。続いて「政府・企業・個人みんなで取り組むべき課題」(3.8%)、「地球温暖化への対策や取り組みに関する具体的な意見」(3.5%)が多い結果となっています。過半数(57.3%)である約2.9万人が、この自由回答式の設問へ回答しました。
調査では、環境省「くらしの10年ロードマップ」を参考に15の「カーボンニュートラルアクション」を設定し、15のアクションに対して行動(実施・導入)したことを聞きました。その結果、「ごみの削減・分別」(79.2%)、「食事を食べ残さない(食べきり)」(76.7%)、「節電・節水」(76.4%)、「LED照明の利用、買い換え」(66.1%)などが上位に挙がりました。
それぞれのアクションの実施理由も聞くと、「食事を食べ残さない」「節電・節水」「LED照明の利用」を含む12のアクションでは、「取り組んだ方が、経済的にメリットがある・得だと思ったから」という回答が最も多い結果になりました。また「ごみの削減・分別」「地産地消」といったアクションでは「地域の役に立つと思ったから」(30.6%、44.4%)といった回答が最も多く、「テレワークの実施」では「取り組んだ方が便利だと思ったから」(29.6%)が最多となりました。
カーボンニュートラルアクションの取り組みを推進する上では「実利」を印象付けることも、1つの手かもしれません。
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