シリコンバレーで人気のD2Cスニーカーブランド 急拡大の反動で落ち込んだ業績をどう回復する?:Marketing Dive
D2Cスニーカーブランドの先駆者として知られるAllbirdsが新商品の広告キャンペーンに売って出た。
スニーカー業界のパワーバランスが変化している。NikeやAdidasといった老舗が苦戦し、HOKAやOnなどの新興勢力がシェアを拡大している。その一つであるAllbirdsは、スニーカーブランドとしてD2C(消費者直販)モデルを採用した先駆け的存在だが、近年は売り上げの低迷に苦しんでいた。しかし今、マーケティング戦略を刷新し、状況を変えようとしている。
Allbirdsの再起をかけたブランド強化策とは?
Allbirdsは2016年、米サンフランシスコで創業した。快適な履き心地と、サステナビリティー(持続可能性)を重視する姿勢で、同社のスニーカーは人気を博した。しかし、2021年の新規上場(IPO)後に販売店を過剰に増やした結果、業績が悪化。2024年第2四半期の純収益は前年同期比26.8%減少した。
2024年、Allbirdsは経営体制を刷新した。同年3月にジョー・バーナチオCOO(最高執行責任者)がCEO(最高経営責任者)に昇格、製品デザイン部門のバイスプレジデントに新たな人材を招聘した。その結果、クッション性が高くミニマルなデザインの新しいスニーカー「Tree Glider」をリリース。同社史上最大規模の製品発売を実施。ブランド強化策として、広告キャンペーン「Effortless by Nature」を展開している。
Allbirdsは2024年8月、クリエイティブエージェンシーのSid Leeと共同制作した広告動画を公開した。動画では、Tree Gliderを履いた女性が壁を駆け上がり、空中に浮かび上っているように見える。「Nature」というキャッチフレーズは、天然素材を使用した製品と、製品がサポートする自然なライフスタイルのダブルミーニングになっている。ウェルネスプラットフォーム「Melissa Wood Health」の創設者である著名インフルエンサー、メリッサ・ウッド・テッパーバーグ氏とのコラボレーションも、この広告キャンペーンの一環だ。
「このキャンペーンは、一貫したメッセージを繰り返し伝えるために投資したものだ。今後5年以上にわたってAllbirdsの収益につながる広告プラットフォームを構築できると期待している」。2023年12月にAllbirdsのCMO(最高マーケティング責任者)に就任したケリー・オルムステッド氏はこう語る。同氏はAdidasで約20年間勤務し、北米地域のブランドやリテール、デジタルマーケティング部門の責任者を務めた。
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