「缶入りのただの水」を評価額14億ドルのビジネスに育てたLiquid Deathのヤバいマーケティング戦略:Marketing Dive
「渇きを殺せ(Murder Your Thirst)」という刺激的なメッセージにエッジの利いた商品デザイン、斬新なマーケティング手法でシンプルな缶入りの天然水を大ヒット商品に育てたLiquid Deathとは?
2018年の創業以来、Liquid Deathは消費者に「渇きを殺せ(Murder Your Thirst)」と訴え、不遜で常識外れのマーケティングを展開してきた。14億ドル以上の評価を得ている同ブランドはIPO(株式公開)を視野に入れつつ、ときに悪魔を召喚したり、アンチを受け入れたり、ゾンビを撃退したり、味見テスターをいたずらで困惑させたりといった、破天荒なキャンペーンを展開している。
マーケティング手法は「第3の製品ライン」
ハイドレーション(カコミ参照)市場が新規参入者や製品イノベーションで拡大を続ける中、Liquid Deathは、スチルウォーター(無炭酸水)からフレーバー付き炭酸水、アイスティー、電解質ミックス飲料へと製品ラインを拡大し、市場の変化に対応してきた。それと同時に、主にバイラルを狙ったソーシャルメディア中心のコンテンツを作成することで、挑戦的なキャンペーンを次々と打ち出してきた。メディア購入に大金を費やさないLiquid Deathにとって、マーケティングのノウハウは飲料やその他の商品と並ぶ「第3の製品ライン」と言える。
ハイドレーション市場の現状とLiquid Death
ハイドレーションは「水分補給」を意味する。ハイドレーション市場はスポーツドリンクや電解質飲料、機能性ウォーター、ハイドレーションパック(給水袋)などで構成される。健康志向の高まりやスポーツ・フィットネス活動の増加により、この市場は急速に成長している。
この市場を席巻したのが、Supplying Demandが展開するユニークな飲料ブランドLiquid Deathだ。エッジの効いたデザインのロング缶に詰められた天然水を販売しており、ミュージシャン、アスリート、インフルエンサーなど、幅広いセレブから絶大な支持を得ている。
型破りで挑発的なマーケティングと持続可能性への取り組みで知名度を高めたLiquid Deathは、現在もなお環境意識の高い若者を中心に支持を拡大している。
Liquid Deathのクリエイティブ担当バイスプレジデントを務めるアンディ・ピアソン氏は「私たちが出すアイデアや動画を別の商品と考えれば、アプローチの仕方も変わってくる。お客さまはお金だけでなく、時間、いいね、フォローなど。さまざまな形で支払いをしているのです」と語る。
McKinney、Deutsch LA、Crispin Porter + Bogusky(CP+B)などのエージェンシーでの経験を経て3年前にLiquid Deathに加わったピアソン氏は、ブランドがどのようにして差別化を図り、「カオス」をコラボレーションに取り入れているか、そしてなぜスーパーボウル広告が退屈であると考えているかについてMarketing Diveのインタビューに応じた。
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