10代の半数以上が「エコ疲れ」――博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査2024」:今日のリサーチ
社会環境のためになる行動として「サーキュラー(循環)」や「シェア」の意識は浸透しています。一方で、これまでにない変化も見られました。
博報堂は、全国の男女計5158人を対象に「生活者のサステナブル購買行動調査2024」を実施しました。
同調査の結果によると、SDGsの認知率は2023年調査と比べて4ポイント減少の51.7%。知名率も2.6ポイント減少の80.7%でした。買い物をする際にその商品が環境や社会に与える影響をどの程度意識するかという質問に対する回答も10点満点中5.12点で、過去最高だった2023年の5.15点からわずかながら減少していました。
社会・環境への行動実践度は10点満点中5.28点で過去最高値だけど……
一方で、「社会・環境のためになる行動をどの程度行っているか」を10点満点で尋ねたところ、2023年の5.15点から5.28点に上昇し、過去最高になりました。博報堂は、物価高などの影響で買い物を通じての社会貢献よりも、日々の行動の中で社会貢献につながることをしようとする人が増えたと分析しています。
博報堂が過去の調査結果からまとめたサステナブル(持続可能)な購買行動の特徴とは以下の3つです。
- ミニマル(最小限):必要最小限のものを買う
- ロングライフ(長期的):修理などしながら長く使う
- サーキュラ―(循環):不要になったものも人にあげる・売る
「買い物をする際に意識している行動」として、10代と20代(16〜29歳)では「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり売ったりする」「新品を買わずに中古品を買う」「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」といったサーキュラーやシェアに関する行動が2023年から変わらずにあるようです。特に10代ではその傾向が強く、いずれの行動も全体から10ポイント以上高くなっています。
こうした「買い物をする際にその商品が環境や社会に与える影響を意識する傾向」「社会、環境のためになる行動をとろうという意識」は、いずれも10代と70代で高いことが分かりました。
ただし10代の過半数が「社会や環境問題に取り組むことに疲れを感じる」とも回答しています。「エコ疲れ」を感じている10代も少なくないようです。
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