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Gap猛反撃 「踊る広告」でSheinに奪われたZ世代顧客を取り戻すMarketing Dive

業績が好転しているGapが秋のキャンペーンにYouTube発の世界的ポップスターであるトロイ・シヴァンを起用。サンダーキャットの人気曲「Funny Thing」に載せてゆったりしたデニム服をフィーチャーする。

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Marketing Dive

 Gapは、ゆったりフィットのデニムコレクションに焦点を当てた秋のキャンペーンにポップアーティストのトロイ・シヴァンを起用したと発表した。「Get loose」と題した同キャンペーンは、シヴァンとダンス集団CDK Companyが、ソーシャルメディアで話題となったサンダーキャットの楽曲「Funny Thing」に合わせて踊る様子を描いている。

 セレブリティ主導の同キャンペーンは、オンラインおよびオフラインのさまざまなチャネルで展開されており、ポップスターとのコラボレーションとソーシャルメディアのトレンドに合ったクリエイティブを推進するGapの最新マーケティング戦略を反映している。

フォロワー総数3900万人超えのトロイ・シヴァンを起用

 Get looseでGapは1990年代や2000年代初頭に流行したスタイルの復活を全面的に取り入れている。かつてのGapはカルチャーの形成に影響力を持つブランドとしての地位を確立していた。ゆったりフィットを強調した秋のデニムコレクションを披露するために、Gapはソーシャルメディアで3900万人以上のフォロワーを持つトロイ・シヴァンを起用した。

 シヴァンは、華麗で時に刺激的なダンスルーチンを特徴とするミュージックビデオで知られている。Get looseでは、シヴァンがCDKカンパニーと共演し、ヒット曲「Rush」で共に仕事をしたセルジオ・レイスが振り付けを担当している。広告には、男性用の「バギーデニム」や「スーピマ リラックスTシャツ」「'90sルーズフィットカーゴデニム」などのゆったりとしたアイテムが登場する。このコレクションはGapの店頭およびオンラインで販売中であり、シヴァンが選曲した店内プレイリストもSpotifyで公開される予定だ。

 GapのCEO、マーク・ブレイトバード氏はプレスリリースの中で、「Get loose」をデニムにおけるGapの55年の歴史を称えるものであり、ファッションを自己表現とエンターテインメントの手段として活用する試みと述べている。

 このシーズナルキャンペーンの主役はシヴァンだが、一方で音楽は別のアーティストであるサンダーキャットが手掛けている。これはTikTokをはじめとするソーシャルメディアで話題となった楽曲を活用する最近のGapのマーケティングと一致している。Gapは春のキャンペーンではJungleのシングル「Back On 74」をフィーチャーし、グラミー賞アーティストのタイラがキャンペーンの顔となった。

 Gapがセレブのアンバサダーを起用し、ダンスを多用した広告を展開するのは、Sheinなどの海外の競合ファストファッションブランドに関心があるZ世代に対するマーケティングの一環である。同様に2000年代に輝いたAbercrombie & Fitchなどの他の小売業者も、最近復活を遂げようとしている。

 Gapを運営するGap社は、ここ数カ月でマーケティング戦略を刷新している。2024年5月にPepsiCoの元マーケターであるファビオラ・トレス氏をグローバルCMOに任命し、Banana RepublicやOld Navyを含むブランドポートフォリオ全体の結束力を高めようとしている。同じ月にOmnicom Media Groupがクロスブランドのメディアエージェンシーとして選定され、同社との関係が強化された。Gap社は同時に、組織全体のメディア機能を標準化し、共有メディアサービス、マーケティングインテリジェンス、マーケティングイネーブルメントを含む新しいマーケティング共有サービス部門を立ち上げた。

 Gap社は、2023年8月にCEOにリチャード・ディクソンを任命して以来、勢いを増しており、第1四半期の売上高は前年同期比3.4%増の34億ドルに達した。Gap社は、8月29日に第2四半期の業績を発表する予定である。

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