Netflixの広告売り上げが150％増 PMPやデータクリーンルームの提供も開始：2年目のアップフロントを終了
Netflixは2024年のアップフロントが成功裏に終わったことを報告し、広告事業の堅調ぶりを強調した。また、PMPやデータクリーンルームなど、新たな取り組みについても紹介した。
Netflixは2024年8月20日（米国時間）、2年目のアップフロント（広告主や広告代理店向けに番組プレビュー）後の交渉を無事に終えたと報告した。同社広告担当プレジデントであるエイミー・ラインハルト氏はブログ投稿で「われわれは、全ての主要広告代理店持株会社と独立系代理店との取引を成立させ、当初の見込み通り2023年までの広告販売前契約を150％以上増加させた」と述べた。具体的な金額は明らかにしていない。
「イカゲーム」など話題作のパートナー契約も報告
これらのアップフロント契約には、消費財、テクノロジー＆エンターテイメント、自動車、ファストフード、小売行といったさまざまな主要カテゴリからの投資が含まれている。
Netflixは「イカゲーム」「ウェンズデー」「アウターバンクス」など話題作に関するパートナーシップを締結した。また、プロレス番組の「WWE Raw」やクリスマスの日に開催されるプロアメリカンフットボールのNFLの試合など、注目のライブイベントに関する契約も締結している。
ラインハルト氏は、Netflixのエンゲージメントの高い視聴者層や多彩で質の高い番組に対する広告主の期待は高いと述べ、例として、英国の人気テレビシリーズ「ブリジャートン家」のシーズン3ではAmazon AudibleやBooking.com、Hiltonなど複数の国際的なスクリーンタイトルスポンサーを確保したことを明かした。また「エミリー、パリへ行く」のシーズン4ではLVMHやGucciの他、Googleや楽天ともパートナーシップを結んだことを明かした。
アドテクにも積極的に投資
プログラマティック広告への取り組みも強化している。例えば広告主は2024年8月からMicrosoft子会社のXandrおよびThe Trade Desk、にGoogle「Display & Video 360」を通じた一対一のPMP（プライベートマーケットプレイス）取引が可能になった。MicrosoftはこれまでNetflixの広告サポート層を支える独占パートナーだった。PMPは現在、米国、カナダ、ブラジル、メキシコで利用できるが、今後数カ月以内に世界的な展開を予定している。Netflixは引き続きさまざまな購入方法の多様化に取り組んでおり、2024年11月にはプログラマティック保証オプションを追加する予定もある。
インプレッション検証にはGoogle「キャンペーン マネージャー 360」およびInnovidを導入し、アドフラウド（広告不正）とビューアビリティー（視認性）の検証には DoubleVerifyおよびIntegral Ad Science（IAS）との既存の関係をプログラマティックチャネルに拡張した。これらのソリューションは2024年10月には全購入チャネルで利用できるようになる。
NetflixはすでにExpedia、Ford、T-Mobile、Mercedes-Benzといった広告主と、複数のプログラマティックキャンペーンを実施しているという。
データクリーンルームの提供
またSnowflake、InfoSum、LiveRampと提携し、ユーザーのプライバシーが安全に保たれたクラウド環境でデータ分析が可能なデータクリーンルームを提供する。Snowflake Data Clean Roomsは既にパートナー向けの提供を開始しており、InfoSumとLiveRampは今後数カ月以内に開始する予定だ。
Netflixは現在、独自のアドテクプラットフォームを開発しており、2025年のローンチを目指している。2024年11月にカナダでテストを実施し、2025年には全世界でサービスを開始予定だ。
ラインハルト氏は「過去数か月で、われわれは広告ビジネスにおいて大きな成果を上げ、さらに多くのプログラマティックスイートを構築および導入し、グローバルな測定機能を強化し、インパクトのあるグローバル広告キャンペーンを確保してきた。われわれは引き続きNetflixの広告プランを改善し、会員がその体験に満足し、マーケターにとって結果をもたらすソリューションを提供し続ける。世界最高のショーや映画にブランドを置き、価値が高くエンゲージメントのある視聴者に届けていく」とブログを結んでいる。
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