「親になったZ世代」にリーチする方法:Marketing Dive
米国のキッズアパレルブランドCarter’sは、新世代の若い親をターゲットとする「かわいいだけじゃない」キャンペーンを展開している。老舗ブランドが若い世代にリーチするための施策と課題とは。
米国では例年、9月から始まる新学期に向けて学用品や衣料品を準備する親子をターゲットとする“Back to school”商戦が盛んだ。ここに向けて、キッズアパレルブランドCarter’sがキャンペーンを打ち出した。広告代理店Mischiefとの初の取り組みである“More Than Just Cute”(かわいいだけじゃない)キャンペーンが狙いを定めるのが、ミレニアル世代(1980年代前半から1990年代半ばまでに生まれた世代)やZ世代(1995年〜2009年に生まれた世代)の若い親たちだ。
「かわいいだけじゃない」キャンペーンの中身とは
“More Than Just Cute”の関連動画「All I Am」は、「かわいいという言葉は赤ちゃんを表現するには表面的すぎる」というナレーターの語りから始まる。泥の中をハイハイしたり、すりおろしたりんごをこねたりして遊ぶ赤ちゃんの「活躍」を淡々と説明した後、「かわいいという言葉だけで満足しないで。あなたはそれ以上の存在なのだから」とナレーションは締めくくる。
「All I Am」以外にも、赤ワインのグラスをカーペットに押し付けるといった子どもの行動に焦点を当てた6秒動画が、Facebookやショート動画共有サービス「TikTok」「Instagram」「Pinterest」「YouTube」で2024年8月1日から配信されている。160年の歴史を持つ北米最大のキッズアパレルブランドCarter’sにとってこのキャンペーンは、新しい世代の親たちにリーチするための試みだ。
Carter’sで最高マーケティング責任者(CMO)を務めるジェフ・ジェンキンス氏は、「耐久性や品質、快適さなど、Carter’sが提供してきた強みを生かしつつ、新しい視点で商品やブランドを紹介し、会社の歴史にも寄り添うようなキャンペーンをどのように作り出すか」が課題だったと述べる。
Marketing Diveのインタビューでジェンキンス氏は、“More Than Just Cute”キャンペーンやZ世代の消費者に対するインサイト、Carter’sの顧客ロイヤルティへのアプローチなどについて語った。後編では、その詳細を紹介する。
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