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中国人旅行者の「インバウンド予報指数」は依然堅調 購買意欲は持ち直しの兆し今日のリサーチ

博報堂DYホールディングスの研究開発部門が中国人生活者の訪日意欲を「インバウンド予報指数」として算出。2024年8月の訪日意欲、訪日目的、行動の変化についてまとめています。

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 博報堂DYホールディングスの研究開発部門であるマーケティング・テクノロジー・センター(MTC)と中国のライフサービスオンライン検索プラットフォーム「美団」の広告部門Solid Bitは、中国人生活者を対象とした「インバウンド予報調査(第3回)」を共同で実施しました。中国人生活者の訪日意欲について、社会環境や実現可能性を考慮せず、調査時点から3か月後の気持ちを端的に表す指標を「インバウンド予報指数」として算出した結果、2024年8月のインバウンド予報指数(5月調査)は83.2点でした。2023年6月のインバウンド予報指数81.1点(23年3月に調査)と比べても上向きで、特に訪日経験が1回の層では訪日意欲が前回に比べて9.4ポイント上昇するなど、再訪意欲は堅調を維持しています。

今の訪日中国人が「爆買い」よりもやりたいこと


8月のインバウンド予報指数(出典:博報堂DYホールディングス、以下同)

 訪日経験のある層に限定して今後の訪日目的を調べたところ、「高級レストランを体験する」が73.0%と最多で、「大衆料理を楽しむ」(70.0%)、「温泉入浴」(68.5%)が続きました。「旅館に宿泊」(66.8%)、「四季の体感」(66.8%)、「自然・景勝地の観光」(66.0%)が「買い物」(60.2%)を上回るなど、「体験重視」の傾向が強いことが分かります。

 さらに、過去の訪日目的と比較したところ、「高級レストランを体験する」(73.0%)、「舞台・音楽鑑賞」(22.7%)、「スキー・スノーボード」」(22.5%)、「スポーツ観戦」(13.1%)、「治療・健診」(9.9%)が5ポイント以上も上昇しています。一般的な観光体験ではなく、特別な体験への関心が高まりつつあることが分かりました。


訪日目的

 ショッピングへの熱量も徐々に戻りつつるようです。調査では、今後の訪日意識について、「対となる2項目のどちらをより重視するか」といったかたちで質問し、第2回調査の結果と比較して調べています。体験かショッピングか、どちらを重視するかを対にして聞いたところ、「いろんな体験を楽しむ」が43.6%だったのに対し、「ショッピングを楽しむ」が56.4%と回答者の半数を超えました。前回調査と比べて17.3ポイントも上昇し、相対的に購買意欲が持ち直しつつあると言えそうです。

 その他にも「行ったことのないところを探検」(60.1%)に対して「行ったことのあるところを再訪」(39.9%)が7.3ポイント、「歴史的な建物・遺跡などを楽しむ」(24.3%)に対して「自然な景観を楽しむ」(75.7%)が6.5ポイント、「日本の伝統文化を楽しむ」(74.4%)に対して「日本のポップカルチャーを楽しむ」(25.6%)も6.5ポイント上昇しています。中国からのインバウンド旅行者を対象としたサービスでは、こうした意識の変化を捉えることが重要となりそうです。


訪日意識

 日系ブランドであることが購入の決め手だと考える中国人生活者が全体の6割超を占めていることも分かりました。決め手となる理由としては、客観的に「品質が良く、間違いないと思うから」が51.4%と最多で、次いで「レビューや口コミでいいと見たから」が50.5%、「値段に対しての品質がいいから」が48.6%と、いずれも約5割という高い結果になりました。また情緒的なつながりとして、「日本が好きだから」も31.5%と3割を超えました。


日系ブランドに対する買物意識

 日本政府観光局(JNTO)によると、2024年1〜6月期の訪日客数の累計は1777万7200人で過去最高を記録した2019年同期を100万人以上も上回りましたが、中国からの訪日外客数は約307万人で、2019年同期比で約68%と低迷しています。しかし、2024年4〜6月期の訪日外国人旅行消費額を国籍・地域別にみると中国が4420億円(構成比20.7%)と最大であり、訪日外国人一人当たりの旅行支出を費目別にみると「買物代」は中国が最高。日本企業にとって中国人生活者の訪日意欲や訪日意識などの実態を把握することは引き続き重要な課題となっています。

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