能登半島地震の影響で防災意識はどう変わった?――インテージ調査:今日のリサーチ
インテージが全国の15歳から79歳男女5000人を対象に実施した「防災意識に関する調査」の結果です。
インテージは、全国の15歳から79歳男女5000人を対象に実施した「防災意識に関する調査」の結果を公開しました。調査期間は2024年7月25日から7月29日。今回、「自身もしくは家族が防災対策をしている」と回答した人は全体の50.9%と、前年の47.1%よりも3.8ポイント上昇して半数を超えました。能登半島地震発生翌月(2024年2月)の調査結果と比較しても1.5ポイント増加しています。世帯人数別では、単身世帯対策実施率が前年の32.0%から37.4%へと増加し、最も大きい増加幅となりました。
防災対策費用はどれだけ増加したか?
家庭での過去1年間における対策費用は1人当たり平均2831円。防災対策費用は前年比138.0%で779円の増加になりました。2月比でも218円上がっており、増加傾向にあります。後述するように物価高によって対策費用が押し上げられている面はあるものの、対策実施率も上昇していることから、生活者の防災意識が高まっていることが分かります。なお、能登半島地震で甚大な被害となったエリアに近い石川県・富山県在住者の過去1年間の対策費用は平均3884円と、それ以外の県と比較して高くなりました。
物価高や円安が防災対策や対策費用に影響するか聞くと「かなり影響する」「やや影響する」が合計で85.5%と高水準になりました。
自然災害などの脅威への不安感については、「地震」がトップで86.9%、次いで「猛暑(高気温)」の83.3%。「感染症や伝染病の爆発」の76.4%が続きました。
今後強化したい防災対策は非常食やトイレ回りなどが上位になりました。石川県・富山県在住者(※)が「住宅の耐震性チェック・耐震化」を挙げた割合は27.6%で、他県在住者(11.0%)のおよそ2.5倍と顕著な差が見られました。
※今回調査は、依頼エリアとして輪島市、珠洲市、能登町(キューモニターのみ左記に加えて七尾市、志賀町、穴水町)を除外して配信。
自治体に強化を希望する防災対策では「緊急・防災情報メール」が富山県・石川県在住者とそれ以外でおよそ2倍差。「災害用トイレの設置」「避難所の環境改善」は全国的な需要も高いものの両県在住者ではさらに高い結果になりました。
なお、冒頭に記した通り、今回の調査は2024年8月8日の宮崎県日向灘を震源とした地震発生より前に実施したものであり、その影響は含まれていません。それでもここ1年で大きく予算が上がっており、昨今の南海トラフ地震への注目度を考えると、防災意識はさらに高まっているものと予想されます。
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