郵送業務を電子化する理由 3位「テレワークへの対応」、2位「業務の迅速化・省力化」で1位は?――リンクス調査:今日のリサーチ
キャンペーンのお知らせや新商品の紹介のダイレクトメールなど、個人宛てに送付する郵便物は依然として重要なマーケティングツールと言えます。しかし、2024年10月には郵便料金の値上げが予定されており、それが企業の郵送業務にどう影響を及ぼすのか気になるところです。
多機能SMS送信サービス「SMAPS」を提供するリンクスは、企業において個人宛の郵送業務を実施する20代〜50代の会社員、会社役員を対象に「郵送業務と電子化に関するアンケート」を実施しました。有効回答数は300件です。
まず個人宛て郵送業務に携わる人に業務の負担を尋ねたところ、負担を「とても感じている」が35.3%、「やや感じている」が39.3%で、合わせると75%以上が負担を感じていることが分かりました。
また、宛先不明で返送されてくる書類については、「1割未満」が46.7%で最多でしたが、「2割程度」から「5割以上」までを合わせると45.1%に達しています。書類の不着により、送料が無駄になるだけでなく、顧客コミュニケーションの機会損失や重要書類が通知できないといった問題が発生している可能性がありそうです。
郵便物の電子化に使うツールはメールだけじゃない
郵送業務に負担を感じていると回答した224人に、「郵送から電子送付に切り替えたいか」と尋ねたところ、「とても思う」が54.0%、「やや思う」が36.2%で、合わせると9割以上が電子送付への切り替えを希望していました。
ただし、郵送業務の電子化はまだあまり進んではいないようです。回答者全体に対し、電子化の進捗状況を尋ねたところ、「一部業務の切り替えが終了した」は24.3%にとどまり、「現在切り替えに向けて進行中」が39.3%、「まだ着手していないが検討中」が21.3%で、14.7%の企業は「郵送業務の電子化をする予定はない」と回答しています。
それでは、郵送業務の電子化に取り組む理由はどのようなことでしょうか。郵送業務の電子化を実施中か検討中の256人を対象に郵送業務の電子化をする理由を尋ねたところ、2024年10月に実施される「郵便料金の値上げ対策」が54.7%で最多でした。それに「業務の迅速化・省力化」(48.1%)、「テレワークへの対応」(40.2%)が続いています。電子化のスケジュールは、郵便料金が上がる「2024年10月までに完了させる予定」の回答者が14.5%、同年「10月〜12月」に完了させる予定の回答者が41.0%でした。
郵送業務の電子化を実施中または検討中の256人に、郵送業務の電子化に使用するツールに求めることは何かを尋ねたところ、「コストパフォーマンス」が53.1%、「セキュリティ」が48.8%、「配信の迅速さ」が43.0%でした。コスパやセキュリティといった基本的な事項に加え、配信の迅速さ、送付状況の追跡や管理の容易さなど郵送では実現できない要素へのニーズも高いようです。
郵送業務の電子化に利用しているツールで最も多かったのは「Eメール」で62.9%。次いで「SMS(ショートメッセージサービス)」(53.9%)が多く、「SNS」(52.3%)がそれに続きました。メールに次いで利用率の高いSMSですが、現在利用していない118人を対象にSMSへの関心度を尋ねたところ「とても関心がある」が34.8%、「やや関心がある」が50.8%と、合わせて8割以上が関心があると回答しています。
SMSは携帯電話番号を用いるため、簡単に変更できるメールアドレスやSNSアカウントとは異なり、高い確実性をもって連絡できるコミュニケーションツールです。住所への送る郵送DMの代替ツールとしてマッチしているかもしれません。
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