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低迷するナイキやアディダスを猛追する「HOKA」の “破壊的”ブランディングとは?Marketing Dive

ランナーの間で好感度が低迷しているNikeに対し、ディスラプター(破壊的企業)として取り上げられる新興ブランドHOKA。好調な売れ行きの背景には、どのような戦略があるのか。

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Marketing Dive

 HOKA(ホカ)は“We Are All Born to Fly”(人は飛ぶために生まれてきた)と題した世界的な広告キャンペーンを展開し、ランナーをターゲットに鳥をテーマにしたマーケティングを強化している。

 この広告は、アルプスの山々、森の小道、開けた道路の上を猛禽類が滑空し、その下を走るランナーを上空から撮影した、60秒の映像「Bird’s Eye」でスタートする。2024年秋まで、OTT(オーバーザトップ)動画配信サービス、屋外広告、デジタルチャネル、ソーシャルメディアにまたがり放映する。

 “We Are All Born to Fly”は、好調な売れ行きを受け、それまで展開してきた“Fly Human Fly”というプラットフォームを拡大するものだ。Nikeを含む従来のライバルがランニング業界で“足場”を失いつつある中で、ランニングを巡る新たなブランド戦略を試みている。

低迷するNikeと新興のHOKA それぞれのブランド戦略は?

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画像はHOKA公式サイトより

 HOKAの広告にとって、ランニングの高揚感と飛翔する鳥を結び付けることは、ブランディングの重要な試金石であり続けている。広告代理店Anomalyと共同で展開するこのキャンペーンは、HOKAが以前、ランニングコミュニティーの多様性を示すために展開した“Fly Human Fly”に基づいている。これは、鳥が密集して飛ぶ「マーマレーション」に着想を得たクリエイティブを取り上げたものだ。

 同様のテーマを掲げる“We Are All Born to Fly”は、フランスの町、アヌシーにあるHOKAのルーツを想起させる。アルプスの上空を猛禽類が飛び、高地を走るランナーから、道路を気軽にジョギングする人まで、あらゆるランナーを見下ろす。このキャンペーンは、主要なスポーツイベントである夏季オリンピックに先駆けて展開し、2024年秋まで続ける計画だ。

 2009年設立のHOKAは、快適で厚底のシューズデザインが特徴だ。パンデミック以降人気が急上昇しているランニングクラブへの積極的な働きかけもあって、こだわりの強いランナーの支持を獲得した。Deckers Brands傘下のHOKAは、2023年度の売上高が10億ドルを超えた。ランナーの間で好感度が低迷しているNikeに対し、ディスラプター(破壊的企業)として頻繁に挙げられている。

 スポーツウェアの大手Nikeは、卸売小売業との関係よりも消費者直販のチャネルを優先し、近年は目を引くマーケティングを展開できなかったため、広義の意味で苦戦している。オリンピックに向けて派手なキャンペーンを準備している同社は、直近の四半期で売上高が2%減少し、通期の売上高予想を引き下げた。

 Nikeは現在、幹部らが「ここ数年で最も包括的なランニングキャンペーン」と表現するプログラムを展開し、スニーカー「Pegasus 41」のプロモーションを実施している。同社はランニングコミュニティーと再びつながるために、現場での取り組みにも力を入れている。

 Nikeやadidasのような大手が弱体化したことで、消費者向けのアイデンティティーを確立しつつある若いブランドに活躍の機会が訪れた。HOKAがキャッチフレーズとして前述の“Fly Human Fly”を導入したのは2022年のことだ。このコンセプトはもともと、HOKAの広告関連の業務をAnomalyが引き継ぐ前に、別の広告代理店FCBと共同で開発したものだった。

 もう一つの人気スポーツウェアブランド、On Runningも、ブランド構築の取り組みに力を入れている。同ブランドのマーケティング担当者は2024年6月、映画『デューン 砂の惑星 PART2』などに出演した女優・歌手のゼンデイヤをブランドパートナーに任命した。複数年契約の一環として、ゼンデイヤは「Dream Together」という新しい広告キャンペーンに出演する。

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