アンケート結果や口コミから見えない“文脈”を抽出 電通と大阪大学が「MINUKERU」を共同開発:潜在文脈を抽出
電通は、大阪大学大学院経済研究科の勝又壮太郎教授と共同で、テキストデータから通常の分析では見えない文脈を抽出して本音や洞察を解釈しやすくする分析ソリューション「MINUKERU」を開発した。
電通は、大阪大学大学院経済研究科の勝又壮太郎教授と共同で、テキストデータから通常の分析では見えない文脈を抽出して本音や洞察を解釈しやすくする分析ソリューション「MINUKERU」を開発。これを活用した高速なテキスト分析サービスを企業や団体向けに提供開始した。
見えない文脈を見抜ける
MINUKERUは、テキストデータから複数の潜在文脈を素早く、統計的に、より解釈しやすい形で抽出する。例えば試験的に実施したあるエンジニアリング会社の社内意識調査において、「MINUKERU」を使用することで4つの文脈・インサイトが抽出され、膨大な回答データの内容をより簡便に、解像度高く把握することができた。また、4つの文脈ごとに回答者の職務満足度などの回答をひも付けられるため「どのような人が、どのような意見を持っているか」が分かり、課題に対する効果的な解決策が出せるという。
MINUKERUの分析には、勝又教授が世界最大級のマーケティングサイエンスの国際学会「ISMS Marketing Science Conference 2024」で発表した統計モデルを活用している。従来は定性データを主とするテキストデータ分析が多かったのに対し、勝又教授のモデルは定性データと定量データを同時に解析できるのが特徴だ。そのためMINUKERUは、口コミサイトなどにおける投稿の内容と数値を組み合わせた分析に強みを発揮する。さらに、コールセンターの顧客の声やグループインタビューなどの音声データをテキスト化することによる分析や、SNS上の投稿分析に活用できるとしている。
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