GA4がAI新機能を搭載 Cookie廃止後のWeb解析はどう変わる?:Social Media Today
GoogleがGoogleアナリティクス4にAI活用の新機能を導入する。マーケティング担当者の意思決定を支援する機能というが、新機能を使えば何ができるのか。
GoogleがGoogleアナリティクス4(以下、GA4)にAIを活用した新機能を導入する。まず、Googleは「new generated insights」(新しく生成されたインサイト)という機能を提供する。重要なデータの変動を強調表示し、要約を付ける機能だ。マーケティング担当者がより多くの情報に基づいた意思決定を行えるように支援する。
Googleが解説する新機能の狙い
Googleは、既存のユニバーサルアナリティクス(UA)の機能を段階的に廃止しており、新機能は、過去数年にわたって開発してきたGA4の一機能として提供する。GA4にアップグレードしていない場合は、すぐにアップグレードすることをお勧めする(古いバージョンでは2024年7月1日以降、新しいデータを処理できなくなる)。すでにアップグレードしている場合は、すぐに新機能を利用できる。
新機能の狙いは、データ内のイベントについて、より単純化した平易な言葉で説明し、マーケティング担当者が各要素を把握しやすくするように促すことだ。
Google(外部リンク/英語)は以下のように説明している。
「購入」イベントが特定の日付で急増した場合を想像してください。当社のAIエンジンは、ディメンションと指標の無数の組み合わせを処理して、積極的に点と点を結び付け、急増した要因を説明します。こうした洞察は、同僚が重要なポイントを要約しているかのように、自然で分かりやすい言葉で記述されます。
会話型AIを使用して、重要なデータの変動内容をより適切に要約するので、変動理由の特定に役立つかもしれない。
Googleは、連携した「キャンペーンマネージャー360」のアカウントから、集計したインプレッションを取り込む機能も追加。ファネル全体のキャンペーンパフォーマンスに関するより詳細な分析ができる。
さらに、コストデータのインポートを改善することで、アナリティクスでGoogle以外のキャンペーンデータを表示しやすくなります。Pinterest、Reddit、Snapの広告アカウントをアナリティクスプロパティから直接接続すると、クロスチャネルパフォーマンスレポートにGoogle以外のキャンペーンデータが自動的に表示され、「広告費用」「広告クリック数」「広告インプレッション数」などの指標とともに、アナリティクスのトラフィックソースディメンションにマッピングされます。
Googleは、クロスチャネルの予算編成機能も提供を予定している。これには、チャネル全体でのメディアのペースや、収益などの目標に対する予測パフォーマンスを追跡する機能が含まれる。その他「Privacy Sandbox」のAPIの一部に対するサポートも実装。サードパーティーCookieを使用せずにキャンペーンのパフォーマンスを測定する方法を増やすことも計画している。
言い換えれば、Googleは、ポストCookieの測定ツールをGoogleアナリティクスに統合する方向に進んでいる。これにより、データプライバシーを取り巻く環境変化に合わせて、より多くの洞察を提供し、最終的にはサードパーティーCookieによるトラッキングを完全に廃止することになる。
ただし、サードパーティーCookie廃止がいつになるかを正確に予測するのは難しい。なぜなら、Googleは業界の混乱を最小限に抑えるために、サードパーティーCookieの廃止を延期し続けているからだ。Googleは2024年4月に英国の競争・市場庁(CMA)の要件を満たすために3度目の延期を発表した。この動きがデジタルマーケティング業界全体と、この分野におけるGoogleの競合他社にどのような影響を与えるのか、さまざまな懸念が生じている。
しかし、いずれサードパーティーCookieによるトラッキングは過去のものとなる。そうなった場合でもGoogleアナリティクスは、データからの洞察を減らしながらもこれまで以上に多くの価値を提供できるように、AIツールを含む新たな対策を講じるだろう。
これらの機能追加は、今後のプランニングにおいて検討すべき重要な新しい要素をもたらす可能性があるため、注目に値する。
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