食品の高値安定傾向はどこまで続く?――インテージ調査:今日のリサーチ
全国約6000店舗より収集している「SRI+(全国小売店パネル調査)」を基に実施した食品や日用雑貨の店頭販売価格・販売数量に関する定点調査の結果です。
インテージは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6000店舗より収集している小売店販売データ「SRI+(全国小売店パネル調査)」を基に、食品、日用雑貨など主な消費財を対象として店頭販売価格の値上げとその影響について調査しました。
生活者がダイレクトに影響を受ける食品の店頭価格の推移を示したのが以下の表です。値上げの代表格だったキャノーラ油やサラダ油で値下がり傾向が見られます。値上がり前の2020年平均と比べてキャノーラ油は2023年4月の186%から緩やかに下落が続き、同年12月には160%台に。この傾向は2024年に入っても続き、4月には158%と30ポイント近く低下しています。サラダ油も2023年4月の154%から2024年4月には126%まで下がりました。他の食品も高止まりながらも横ばいの傾向といえますが、オレンジの不作なども影響している100%ジュース、砂糖、ケチャップなどは2024年に入り、さらに価格が上昇しています。100%ジュースは2023年4月が124%だったのが、2024年1月に140%台に。同年4月には150%と26ポイント上がっています。
販売数量への影響は?
一方、日用雑貨の店頭価格は2020年比で10〜20%程度、値上がりしたまま横ばい傾向です。食品同様に高値安定となっています。
2023年10月に同様の調査を実施した際は、店頭価格が高騰した商品を中心に買い控えの傾向がうかがえました。その傾向は今回の調査でも変らず、食品では店頭価格が高騰した商品の多くが値上げ前の2021年同月比で10〜20ポイント、販売数量が減少しています。
売り上げが半減したキャノーラ油の代わりにサラダ油が売り上げを伸ばすなど販売数量が増加した商品もありますが、調味料のしょうゆや砂糖、マヨネーズは2桁以上のマイナスです。2024年4月には、ケチャップが同年3月に比べ10ポイント近く落ちています。
主食は調味料よりは減少幅が少ないものの、2021年同月と比べていずれも減少。2024年4月には、加工食品のカレー(ルー)や魚肉ソーセージは2021年同月比で販売数量が15%程度減少、サバ缶はブームの反動もあり同4割以上も落ち込みました。不作により大きく値上がりした100%ジュースも4月に31%減となっています。
日用雑貨の販売数量は食品に比べるとマイナス幅は小さいものの、大幅値上げ前の2021年に比べると、やはり下回っているものが多くあります。
2024年2〜3月には値上げ前の駆け込み需要で増加したものもありますが、同年4月以降はその反動が出てくるものと推測されます。
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