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新富裕層「インカムリッチ」は何にお金を使っているのか――博報堂調査今日のリサーチ

新たなマーケティングチャンスを創出する「博報堂富裕層マーケティングラボ」が「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」の結果を発表しました。インカムリッチって、そもそも何?

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 博報堂の富裕層向けマーケティング支援プロジェクト「博報堂富裕層マーケティングラボ」は、共働きやパワーカップル世帯の増加によって出現した「インカムリッチ」の意識や行動傾向をまとめた調査レポート「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」を発表しました。調査は、全国の20〜69歳までの男女2451人(うち、インカムリッチ層は1424人)を対象に実施しています。

インカムリッチは従来のリッチ(富裕層)とどう違う?

 そもそもインカムリッチとは何なのか。博報堂は、世帯年収1500万円以上の生活者をインカムリッチと定義しています。従来の富裕層とは異なるのは、「純金融資産は多くないけれど、消費ポテンシャルが高い」ということ。現役世代で、子育て世代でもあるインカムリッチ層は、資産形成はまだ途上ですが、ローンを組んで都市部のマンションを買う、輸入車を買う、子どもの教育にお金をかけるといった形で積極的に消費をしており、こうした世帯は東京など都市部を中心に今後増えていく見込みです。

インカムリッチが最も多いのは男女ともに40代

 調査会社マクロミルが保有する調査パネルの世帯年収データから算出した世帯年収1500万円以上の人の割合は2.4%。今回の調査ではサンプル割付(回収サンプル数をセグメントごとに事前に設定して調査を実施すること)を行ったため、全体に対して世帯年収1500万円以上の人が2.4%になるようにウェイトバック集計(アンケート回答者と母集団の属性構成が異なっていてアンケート回答者の属性構成が世の中の縮図となっていない場合に、母集団の属性構成に合わせて重み付けをし、集計し直す調査手法)をかけて分析しています。

 インカムリッチの性別・年代別構成比は男性40代が17.1%、女性40代が16.6%と、男女ともに40代が最も多くを占めています。


インカムリッチが最も多いのは男女ともに40代(出典:博報堂「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」、以下同)

 職業別では、インカムリッチの約3割(28.0%)が上場企業に勤務しています。非上場企業、未上場企業やスタートアップ、ベンチャー企業などを合わせると過半数に相当する51.0%が会社員であることが分かりました。


インカムリッチの過半数が会社員。約3割が上場企業に勤務

 調査では、全体とインカムリッチとの意識や価値観、行動の違いを比較しています。まず保有資産を聞くと、全体、インカムリッチともに「現金・預貯金」がトップ。全体との顕著な違いとしては、インカムリッチは4割以上が「自宅の土地」(45.4%)、「株式」(45.4%)、「生命保険」(41.1%)も保有していました。「投資信託」(34.8%)や「貴金属・宝石類」(18.9%)を保有する割合も全体より10ポイント以上高い結果となりました


インカムリッチの4割以上が「自宅の土地」や「株式」「生命保険」を保有

 資産運用・投資に対する意識でも全体とインカムリッチでは違いがあるようです。インカムリッチの61.1%が「資産運用では、短期的な利益より、中長期でのリターンを重視」すると回答。全体の46.8%と比較して高い傾向にありました。さらに「リスクを考え、資産の配分を管理」する(54.6%)、「ネット証券などを通じて自分で投資」する(51.5%)、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」(46.3%)といった項目も全体より10〜20ポイントほど高くなっています。

 インカムリッチの中でも、特に30〜40代男性は投資への意欲が高い傾向にあるようです。同属性は、「ネット証券などを通じて自分で投資」すると回答した割合が63.0%、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」と回答した割合が59.7%となりました。


 資産運用・投資に対する意識

 時間・生き方に対する意識でも全体とインカムリッチとの違いが見て取れます。インカムリッチは「健康や心の豊かさのためにお金をかけている」(56.3%)、「タイムパフォーマンスを重視」(50.4%)、「ゆとりを得るためにお金をかけることを惜しまない」(46.5%)といった項目を選んだ回答者の割合がいずれも全体より10ポイント前後高くなっています。インカムリッチの中でも、特に子育て世帯が多い30代〜50代女性では、これらの意識がさらに10ポイント前後も高い傾向にありました。


時間・生き方に対する意識

 消費意識においては「節約・倹約意識が高い方だと思う」と回答した人の割合は全体とインカムリッチで大きな差は見られません。しかし、インカムリッチは「今の生活を楽しむためにお金を使いたい」(21.2%)、「自分へのご褒美のためにぜいたくをしたい」(17.8%)、「新しいお店や場所に積極的に出掛けるほうだ」(10.4%)と考える割合が全体よりも高い傾向にありました。インカムリッチの中でも20〜30代女性は「自分へのご褒美のためにぜいたくをしたい」意識が3割を超えており、「ご褒美消費」の意欲がより高いと言えそうです。


インカムリッチの中で特に20〜30代女性は「ご褒美消費」の意欲がより高い

 博報堂は、こうした「ご褒美消費」需要の攻略には、モノやサービスのクオリティーに加え、「健康や心の豊かさ」や「時間やゆとり」といったインサイトをどのように満たしていくかが重要なポイントになると分析しています。

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