「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2024年6月):「テクノグラフィック」で読み解くMarTechの現在
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10です。
前月と比較して、ランキングの変動はありませんでした。最も増加したのは、4位の「Adobe Marketo Engage」で、プラス39ドメインでした。一方、2位の「Hubspot」は、これまで堅調に続伸していましたが、今回はマイナス6と微減しました。
GDPR規制とメールマーケティングに関する最新情報
MAを導入して運営している企業は、メールマーケティングにおける個人情報の取扱いやメールプライバシーなど、欧州のGDPR(※)への対応に苦慮していることが少なくないでしょう。
※GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)
メールマーケティングは既存顧客との関係を維持したり見込み客に対して自社ブランドをアピールしたりするのに最適な手段です。しかし、メールマーケティングキャンペーンでは、データ収集を規制するだけでなく、マーケティングコミュニケーションをスパムフォルダに振り分けられないようにするために、厳格なガイドラインに従う必要があります。
2024年2月、デジタルエージェンシーのTimmermann Groupは「GDPR and Email Marketing: Staying Compliant in 2024(GDPRとメールマーケティング:2024年もコンプライアンスを維持する)」(外部リンク/英語)と題したレポートを発表しました。
2018年のGDPR施行以来、規制自体の変更は特にありませんが、消費者の要求の高まりにより、コンプライアンスの重要性が増しています。同レポートは、73%の消費者が透明性のあるデータ管理をするブランドと取引する傾向があることを示しています。これはGDPRの全体的な目的でもあります。
顧客の個人情報保護に対する要求が高まる中、GDPRコンプライアンスを活用してマーケティングメールをより成功させるには、次のような方法があります。
- 各顧客のデータ選択を尊重し、プロモーションメールを関連性の高い個別メッセージに変換するために、パーソナライゼーションを強化する
- GDPRに準拠したデータに基づき、効果的にオーディエンスをセグメント化することで、オーディエンスに響くコンテンツを配信し、エンゲージメントを高める
- パーソナライゼーションとデータセキュリティを損なうことなく、より効率的なプロセスの実現のために、GDPRに準拠したメールキャンペーンを自動化する
企業のメールマーケティングがGDPRに準拠していることを保証するためには、明確な同意を取得し、オプトインを明確にすることが重要です。トランザクションメールやニュースレターはその限りではありませんが、もし、同意が必要かどうか迷った場合は「同意が王である」と覚えておいてください。
受信者にメールを送る前にはまずず明示的な許可を得ること。これは法的要件に沿うだけでなく、メールリストの品質を向上させ、高いエンゲージメント率につながります。メールサインアップフォームについて、Timmermann GroupのシニアソーシャルメディアスペシャリストのZoe氏はレポートの中で「メールサインアップフォームは明確で簡潔であり、購読者が内容や頻度について何を期待できるかの情報を含めるようにしてください」と述べています。購読者は、何にサインアップするのかを知っている必要があります。
この連載について
TecPlus(テックプラス)はAI塔載型チャットツールを提供するチャットプラスが提供する競合テクノロジーの導入・解約情報データ(テクノグラフィック)サービスです。同サービスは高精度のトラッキング技術で国内150万以上の企業のドメイン・URLを解析。海外および国産の1000以上のツールについて、「いつから導入開始?」「いつに解約された」「企業のテクノロジー環境は」「どのサイトへ導入されている?」などを特定し、自社の営業活動やマーケティング効率を最大化するデータ提供を国内ICT企業やDXを促進する一般企業向けに提供しています。これを基に当連載ではテクノグラフィックデータにフォーカスし、関連製品の導入数ランキング(直近1カ月)を週替わりで紹介します。
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