生成AIで美容業界の未来を創造 エスティ ローダーとマイクロソフトがAIイノベーションラボを設立:生成AIで協業を強化
両社は消費者とのつながりを強化し、より迅速かつ効果的な市場投入を実現することを目的に、共同でAIイノベーションラボを設立する。
Estee Lauder Companies(以下、ELC)とMicrosoftは2024年4月26日(米国時間)、2017年から継続している戦略的パートナーシップをさらに強化。その一環としてAIイノベーションラボの設立を発表した。両社は、Microsoftの「Azure OpenAI Service」の最先端の生成AI機能を活用し、ELCが保有する20以上の高級美容ブランドをさらに強化するソリューションを開発するために協力する。
キャンペーンのグローバル展開を迅速に
ELCとMicrosoftは、マーケティング効果をグローバルに高めるために、社内向けの生成AIチャットbotを開発。このツールは、高度な会話型AI技術を利用して、ELC独自の製品および請求データの広範なデータベースを効率的にナビゲートし、活用することで、ブランドが地域に関連するキャンペーンをより迅速に開始できるようにする。また、研究開発にも生成AIツールを活用する。
ELCはこれまでもMicrosoftとの協業の下、イノベーティブな取り組みを推進してきた。例えば2023年初頭には音声対応メイクアップアシスタントモバイルアプリを開発し、視覚障害のあるユーザーがより簡単にメイクアップを行えるようにした。ここでプラットフォームとして活用したのもAzure AIだ。このアプリは米国、英国、アイルランドのiOSとAndroidで利用でき、今後数カ月以内に他の市場と言語にも展開予定だ。
ELCのエンタープライズマーケティング担当EVP兼最高データ責任者であるジェーン・ローダー氏はプレスリリースの中で「Microsoftの生成AIツールと広範な専門知識により、ELCの膨大なデータを活用して、よりパーソナライズされた消費者体験と行動への迅速な洞察を生み出すことができ、その結果、市場投入までの時間が短縮され、地域との関連性が高まる。今後もMicrosoftとの緊密な協力関係を継続できることを楽しみにしている」とコメントしている。
一方、Microsoftのグローバルインダストリーソリューション担当コーポレートバイスプレジデントであるシェリー・ブランステン氏は「ジェネレーティブAIは、美容業界にとって大きなチャンス。より魅力的な顧客体験の創出、消費者の手元に製品をより早く届けること、新製品をより効率的かつ持続可能な方法で開発することなど、さまざまなことが実現する。ELCとの協業により、AIイノベーションのプラットフォームを提供するだけでなく、これらの新しいイノベーションを実現するための深いパートナーシップを提供できることを誇りに思う」と述べている。
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