高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査:今日のリサーチ
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが示された調査です。
アイリッジは、生活者が店頭でのアプリ活用でどのようなユーザー体験を求めているのかを探るため、店頭利用実態調査を実施しました。15歳以上の男女4840人を対象に、店頭での買い物時困りごとやアプリの利用経験などを聞いています。
生活者はどのようなことで「買い物体験が変わった」と感じるのか
店頭の困りごとの最多は「レジ待ちの長さ」で、「商品の場所探し」「品切れ」が続きました。「レジ待ちが長い」と回答した人の割合は年齢が上がるほど多くなり、60歳以上のシニア層では15〜19歳の若者層の2倍近くに達しています。また、60代では男女で10ポイント近い開きがあるなど、男性の方がレジ待ちに苦手意識があると言えそうです。
一方、若者層が感じている店頭での困りごとは「決済手段の少なさ」で、シニア層の2倍近い回答が寄せられています。店頭で「商品の口コミが知りたい」というニーズも若い男性ほど多く、10代と60代で10倍もの差がついています。
店頭での買い物やサービス利用時に、ポイント取得やクーポン利用、予約、支払いなどでアプリを利用した経験がある人は7割に及ぶことが分かりました。50代を中心に中高年層の利用経験も多く、あらゆる年齢層において店頭でのアプリ利用が浸透していることがうかがえます。特に女性の利用率が高く、全年代で7割を超え、30代以上では8割に迫っています。
女性は整理券発行や来店予約、モバイルオーダーなどの「店舗で並ばない、待たない」ためのサービス利用率が高いことが分かりました。来店スタンプやクーポン、現金チャージ、電子決済なども女性の利用率が高いようです。
店頭での接客やサービスのデジタル化の中で、生活者は具体的にどのようなことで「買い物体験が変わった」と感じているのかを聞くと「ポイントが貯まること」や「ためたポイントが使えること」を挙げる人は年齢と比例して高くなっています。「セルフレジ」で体験の変化を感じているのは女性の方がやや多く、10代女性で非常に多くの回答を集めています。
若年層では「モバイルオーダー」や「来店予約」「ネット注文の店頭受け取り」など、オンラインとオフラインの体験をつなぐことでタイムパフォーマンスを向上する機能に価値を感じていることも分かりました。
若者層は「タイパ」と「OMO体験」、中高年は「コスパ」と「決済体験」と、求められるものを理解することは、アプリで提供すべきユーザー体験を考える重要なヒントとなるでしょう。
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