狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立:日本企業の越境マーケティングを支援
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプロモーションを支援する。
マイクロアドは2024年4月18日、中国でアクティブシニア事業を運営する上海東犁文化伝播(以下、上海東犁)と合弁会社New Bを設立したと発表した。出資比率はマイクロアドが51%、上海東犁が49%。代表取締役社長には、マイクロアドで中国を中心としたクロスボーダーマーケティング事業を推進してきた海外事業部の中山洋章氏が就任する
マイクロアドは2015年より中華圏におけるマーケティングや越境ECをはじめとする、日本企業の海外進出支援やインバウンドプロモーション支援事業を行っている。一方の上海東犁は、中国最大の商圏である上海および華東地域(江蘇省や浙江省など)で、定年退職後のアクティブシニアを中心に、会員数約200万人を有するコミュニティサロン「退休倶楽部」を運営している。退休倶楽部は、旅行会社の運営や、商品を体験できるリアル店舗の運営、WeChatを活用した会員への情報発信などを行っている。
新会社は出資元2社のリソースを総合的に活用することで、中国におけるインバウンドおよびアウトバウンド支援事業を推進して新たな価値創造を目指す。
越境ECや訪日インバウンドの鍵を握る中国のアクティブシニア
訪日中国人観光客向けマーケティングにおいては、生活に余裕のある定年退職後のアクティブシニアがターゲット層として注目されている。中国では一般的に日本より若い年齢で定年を迎える(女性は50代)。今後シニアエントリー層は段階的に拡大し、その人口規模はおよそ3億2000万人に達する見通しだ。中国AgeClubの調査報告によれば、中国のシニア市場全体(銀髪経済)の規模は2030年に約33兆9000億元(日本円で約678兆円)に成長するとみられる。
マイクロアドと上海東犁はこれまでも中国のアクティブシニア層を取り込んだ訪日中国人観光客向けのパッケージ商品を共同開発し、日本企業へマーケティング支援サービスを提供してきた。今回はインバウンドに加え、アウトバウンド(越境EC)支援の需要増加に対応するため、合弁会社を設立するに至った。
具体的には、退休倶楽部のコミュニティーやファーストパーティーデータを活用し、退休倶楽部オリジナルの訪日旅行や会員向けの娯楽施設を提供。またSNSやマスメディアを駆使した情報発信、EC販売機能、ライブコマース、リアルイベントなど、アクティブシニアが求めるソリューションをオンラインとオフラインを絶妙に駆使した形で展開する。
さらに、効果検証を通して顧客の目的や課題に適したプロモーションプランを考案し、提供する。
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