ジェンダーレス消費の実態 男性向けメイクアップ需要が伸長:今日のリサーチ
男性の間で美容に関する意識が高まりを見せています。カタリナ マーケティング ジャパンはジェンダーレス消費の実態をメンズコスメ市場の動向から検証しました。
カタリナ マーケティング ジャパンは、同社が持つ年間10兆円規模の実購買データを基にジェンダーレス消費の実態を調査しています。その第一弾として、ジェンダーレス消費の中でもメンズコスメに注目し、2022年3月〜2024年3月の間のスーパー、総合スーパー、ドラッグストアにおける消費行動の実態をまとめました。
メンズコスメ購入ランキング
売り上げ(数量)成長率をコスメカテゴリ別に見ると、カラーリップが前年比19.18%増、ファンデーションが前年比14.76%増と大きく伸長。女性用商品はコロナ明けの社会情勢を反映し需要が増加傾向にありますが、メンズコスメにおいてもメイクアップ商品を中心に同様の傾向があるようです。
実際の売り場の状況はどうでしょうか。直近1年のメンズコスメの配荷状況を実購買データで見ると、化粧品カテゴリ全体では配荷率が8割を超えており、市場環境も売り場もある程度整っていることが分かります。商品グループ別では化粧水と乳液が配荷率は79%で上位にランクインしました。メンズファンデーションの配荷率も43%で女性向け商品の配荷率の半分強にまで迫っています。
メンズコスメの実際の商品別購入ランキングを見ると、基礎化粧品としてエントリーしやすい化粧水が上位を占め、シミ対策などの課題を解消するための商品も多くランクインしています。
メンズコスメの売り上げの大部分を占めるのは基礎化粧品ですが、カテゴリー全体の売り上げに大きな変化はありません。そこで、基礎化粧品を除き、今後の伸びが期待できる商品グループを購入者数と1人当たりの購入数量の推移から深堀りしました。その結果、今後の伸びが大きいのはやはりカラーリップとファンデーションといったメイクアップ商品であることがわかりました。
これらの商品グループは売り上げや購入者数の増加だけでなく一人当たりの購入数量も増えています。このことから、1回のみの購入で終わらずにリピート購入されていることが明らかになりました。今後、ますます伸びが期待されるカテゴリーと言えそうです。
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