女子スポーツが生み出す収益は2024年に10億ドル以上 広告主や大手広告代理店も本気に:Marketing Dive
WPP傘下の大手メディアエージェンシーGroupMは、AdidasやUnileverなどのクライアントの支援を受けて、女子スポーツ専門のメディアマーケットプレイスを設立する。
スター選手の台頭、大学のスポンサーシップをめぐるルールの変化、ストリーミングやソーシャルメディアによる露出は、女子スポーツがより多くの視聴者を獲得し、広告の分野で新鮮な購買を見出すのを後押ししている。コンサルティングファームのDeloitteは、女子スポーツが2024年に10億ドル以上の収益を上げると予測している。
WPP傘下で世界最大級のメディアエージェンシーであるGroupMはこの状況を利用して女子スポーツのカテゴリーに専用のメディアマーケットプレイスを導入し、大きな利益を生む機会をうかがっている。 この展開は同時に、スポーツ界のよく見落とされる領域に対して、より公平さと分かりやすさをもたらすことを目的としている。
長年男女格差があったスポーツ広告の分野に変化の兆し
GroupM USのスポーツおよびライブインベストメントのエグゼクティブディレクターであるマーティン・ブリッチ氏はプレスリリースの中で「女性スポーツへの投資を優先するだけでなく、広告とスポンサーシップパッケージの購入と販売の方法にも挑戦する必要があります。多年にわたり、男性と女性のスポーツ広告の間に格差がありましたが、今日では女性スポーツでの機会が増えています。私たちのコミットメントが、ブランドが視聴者を中心にしたより包括的な投資戦略を実行するのを支援し、全体的なスポーツ広告の増加につながることを願っています」と述べている。
この新しいマーケットプレイスは、女子スポーツへの投資全体を倍増させるというGroupMの大きな誓約の一部であり、Adidas、Ally Financial、Coinbase、Discover、Google、Mars Wrigley、Nationwide、Unilever、Universal Picturesを含む優良クライアントがサポートする今春のアップフロント(※)のディスカッションで重要な役割を果たすことになる。プレスリリースによると、GroupMは「女子スポーツの発掘、プロモーション、収益化を推進する」分野を特定するために、メディアパートナーに協力を求める。アップフロントは、ブランドとメディアエージェンシーが今後数カ月間のテレビ広告契約を確定させるメディアバイイングの一大イベントだが、コードカッティング(放送契約解除)の加速と広告主予算の逼迫の中で、その重要性はやや低下している。
※米国高校業界の慣習で、テレビCMの年間契約を結ぶ期間のこと。
AllyのCMOを務めるアンドレア・ブリマー氏が2023年に初めてGroupMにこのようなマーケットプレイス創設の展望を提起して以来、女子スポーツの話題は上昇の一途をたどっている。その勢いは、大学バスケットボールのスターであるケイトリン・クラーク選手のような天才や、2023年の女子サッカーワールドカップのような周期的なイベントによって支えられてきた。2024年にパリで開催される夏季オリンピックは、上昇軌道の新たな足がかりとなり、さらなるスポンサーを呼び込む可能性がある。
パブリッシャーもまた、この新興分野でより強力な足がかりを得ようと躍起になっている。2023年には「Women's Sports Network」が誕生した。これは、女子スポーツ報道に特化した初の無料広告付きストリーミングサービスだ。Anheuser-Busch InBevのビールブランド「Michelob Ultra」は、このプラットフォームの立ち上げスポンサーを務めた。
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