多くの企業が変革に取り組む中、経営層が打ち出す変革案はきちんと従業員に伝わり、行動変容につながっているのでしょうか。電通は、全国の20〜59歳の600人と人事部門300人の900人(大企業勤務、部長職以下)を対象に、第2回「企業の変革に関する従業員意識調査」を実施しました。
自社の変化に8割以上が「何らかの不安を感じている」
そもそも企業が目指す変化について、その情報は従業員にきちんと届いているのでしょうか。自社が目指す変化についての情報発信がされていると考える従業員は69.0%で、前回調査(2021年12月)の91.2%から22.2ポイント減少しました。
自社の変化に対する従業員の対応について、現在すでに行動をしている(「現在すでに行動している」と「現在すでに行動しており、会社の周囲の人にも働きかけている」の合計)と回答した人は前回調査から9.2ポイント減少して21.5%と、約2割にとどまりました。
自社の変化に対して、行動していない/うまくいかない/ついていけないと回答した人に理由について聞いたところ、前回同様に「会社・経営層から打ち出された変革案が社内でほとんど理解・浸透されていない」が最多(26.6%)でした。
調査では、自社の変化に対する姿勢や考え・行動、基本的な就業意識などの観点から、クラスター分析を実施し、従業員を6タイプに分類しました。そのうち、変化への関心が高い「変革推進層」「変革フォロワー層」「現業と変化の狭間でもがく層」の3タイプの合計は、前回調査(合計61.7%)から25.2ポイント減少して36.5%へと大幅に落ち込みました。特に「変革推進層」は、23.7%から11.7%へと半減しています。
自社が変化することに対して「特に不安はない」従業員はわずか15.7%で、残りの84.3%は何らかの不安を感じていることも明らかになりました。不安を感じている理由の上位は、前回調査と同じく「なんとなく漠然とした不安がある」が最多(30.0%)、次いで「目の前の業務とのバランスが取れなくなること」(21.7%)、「会社がどのようなものに変わろうとしているのかが見えていないこと」(21.0%)と続きました。
今回の調査から、企業変革に対する従業員の熱量が低下していることなどが明らかになりました。従業員のモチベーションを向上するため、変革を遂げた自社と自分の姿を明確にできるようなコミュニケーションが求められているのでしょう。
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