Googleの生成AI検索「SGE」 自動生成された回答だけでユーザーは満足している?:今日のリサーチ
ネオマーケティングは全国の20歳以上の男女を対象に、「SGE」に関する調査を実施しました。
2023年8月にGoogleが検索サービスにおいて日本でも試験運用を開始したSGE(Search Generative Experience:生成AIによる検索体験)は、ユーザーの質問に対してAIが自動的に回答を生成する機能です。検索結果画面で知りたいことを確認できるため、ユーザーの利便性が高まる一方、情報を提供するWebサイトにとっては、検索経由のトラフィックが少なくなることが危惧されています。
SGEは検索行動をどう変えるのか。ネオマーケティングは全国の20歳以上の男女(事前スクリーニングで仕事上SGEの利用経験ありと回答した660人)を対象に調査を実施しました。
SGEが表示された際でも66.8%がリスティング広告をクリック
SGEを使用した際、欲しい情報が得られていると思うか聞いたところ、「とてもそう思う」の割合だけでも、31.7%という結果になりました。「まあそう思う」の59.7%を合わせると91.4%と大多数がSGEの有用性を認めているということが分かります。
SGEユーザーのうち、SGEの検索結果のみを参照して8割以上の目的を達成する人の割合は15.6%でした。最多は6〜7割を達成する人(45.2%)。ほとんど目的を達成しない「1割以下」「2〜3割程度」の人は全体の11.8%という結果になりました。
SGEを使うとスナップショット(SGEが生成した回答のブロック)が検索結果のトップページに表示されるようになり、これまでトップに来ていたオーガニック検索結果が下に追いやられるという状況がたびたび見られます。また、現在出稿している広告からWebサイトへの流入が減ってしまうのではないかという懸念もあります。しかし、SGEが表示された際にリスティング広告をクリックすることはあるかどうか聞くと、66.8%の人は「リスティング広告をクリックすることがある」と回答しています。性年代別では、男女ともに年代が下がるにつれ広告クリックに積極的な傾向がみられました。中でも、20代の男性は「よくある」だけで31.4%、「たまにある」を含めると82.8%が、広告をクリックすることがあることが分かりました。SGEを使用していても、一定数は変わらず広告に触れていることが見て取れます。
SGEの表示で不足していると思う情報としては54.1%が「詳細なソース情報」の不足を、42.9%が「比較情報(製品やサービス間など)」の不足を訴えていることが分かりました。
ソース情報の不足については現在、回答文の横にある矢印をクリックするとソースとなったサイトにアクセスできるようになっており、改善が見られます。しかし、比較情報に不足感があるうちは、「何か新しいサービスを検討している」もしくは「何かを購入したい」段階にあるユーザーがSGEのみで満足する可能性は低いと考えられます。
ネオマーケティングはSGEの普及に備えて現時点でSEOの観点から留意すべきポイントとして「コンテンツの専門性向上(一般論から一歩踏み込んだ独自の見解)」「注力するキーワードの取捨選択(SGEが担う部分との兼ね合い)」をポイントとして挙げています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.