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電通「2023年 日本の広告費」 総広告費、インターネット広告費は2年連続で過去最高に今日のリサーチ

電通が「2023年 日本の広告費」を発表しました。主なトピックスを抜粋して紹介します。

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 電通は2023年2月27日、わが国の総広告費および媒体別、業種別の広告費を推定した「2023年 日本の広告費」を発表しました。2023年(1〜12月)における日本の総広告費は7兆3167億円。前年比103%で、2年連続で過去最高を更新しました。


日本の総広告費の推移。2019年に「物販系ECプラットフォーム広告費」と「イベント領域」を追加推定(2018年以前の遡及修正は行っていない)(出典:電通「2023年 日本の広告費」、以下同)

 2013年から2023年の媒体別広告費の推移は以下の通りです。


媒体別広告費<2013年〜2023年>

インターネット広告は堅調だが新聞とテレビは右肩下がり

 内訳を見ると最大はインターネット広告費で3兆3330億円(前年比107.8%)でした。総広告費にインターネット広告費が占める割合は45.5%に達しています。

 マスコミ4媒体広告費(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)は2兆3161億円(前年比96.6%)で、2021年にインターネットが4マス媒体を抜いて以来、その差は広がる一方です。4媒体の中でも雑誌広告費 は1163億円(前年比102%)、ラジオ広告費は1139億円(前年比100.9%)で、それぞれ前年を上回りましたが、テレビメディア広告費が足を引っ張りました。テレビメディア広告費のうち衛星メディア関連は1252億円(同100.1%)と現状を維持しましたが、地上波テレビは1兆6095億円(同96.0%)でした。新聞広告費も3512億円(前年比95.0%)と振るいませんでした。

イベント大復活

 今回、高い伸びを見せたのが、プロモーションメディア広告費のうちイベント・展示・映像ほか。市場規模は3845億円(前年比128.7%)となりました。4年ぶりの開催となった「ジャパンモビリティショー2023」をはじめ、パンデミックで中止または小規模開催を余儀なくされていたイベントが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類移行によって本来の規模で再開されたこと、複合型大型商業施設に人流が戻ったこと、さらにインバウンド需要が回復したことなどが要因とみられます。


 調査を取りまとめた電通メディアイノベーションラボ研究主幹の北原利行氏は記者向けのオンライン説明会で、広告市場の成長トレンドが継続していることについて「広告費は国内の名目GDPと相関性が高い。景気が緩やかに回復していることに伴って広告費全体が成長している。その中でも効率化を求めるクライアントが多いことからインターネット広告が増加している。プロモーションメディア広告費のイベントカテゴリーの成長も、人流が回復したことで経済が活発化した影響が大きい」と総括しています。

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