AI導入でも雇用はそのままか、むしろ増える グローバル調査で経営者とITリーダーの6割以上が回答:今日のリサーチ
AvanadeはAI導入への備えに関するグローバル調査を実施しました。
Microsoft製品を使ったシステム構築サービスを手掛けるAvanadeは、日本人300人を含む経営陣およびITリーダー(※)3000人以上を対象とした新しいグローバル調査の結果を公開しました。
同調査はAIが組織に与える職場への影響とAI 拡大に伴う従業員の保護方法を明らかにしたものです。調査の結果、全回答者の64%が、2024年には組織における人力の職務数がAI導入によって維持または増加すると考えており、その大多数は従業員数が最大9%増加すると予測していることが分かりました。
※年齢18〜65歳の役職のあるスタッフまたはスペシャリスト、中間管理職、上級管理職、経営幹部。中間管理職以上の対象者については、自組織のAI関連の意思決定に関与していることを条件とし、スタッフやスペシャリストについては、自組織の現在のAI戦略を認識していることが条件。
AI失業の懸念は小さいがスキル不足は明らか
日本では従業員の大多数にあたる97%がAIとその影響力について楽観的であることが判明しました。大多数の従業員は「Copilot for Microsoft 365」のようなAIツールが仕事の効率化を促すと考えています。
しかし、そうしたツールを使いこなすには課題があるようです。従業員が生成AIを活用できるようになるには新たなスキルもしくは全く新しいスキルセットが必要になると回答したのは、グローバルでは63%、日本では51%でした。また、日本の回答者の88%は、組織が競争力と顧客の期待値を維持するためには、12カ月以内にAIファーストの経営モデルに転換する必要があるとしています。
企業の大半がデジタル投資を増やしてAI化を促進させていますが、その投資先の優先順位は各業界で異なります。ワークプレイスプラットフォーム(「Microsoft 365」や「Microsoft Teams」など)とセキュリティ/サイバーレジリエンスの両方に投資が行われる可能性が高いですが、IT部門の従業員は2024年中にAIの活用範囲を広げるのであれば、データおよびアナリティクス プラットフォーム(DatabricksやMicrosoft Fabricなど)への投資を最優先すべきと考えています。
全ての産業が同じ投資先を優先しているわけではありません。データおよびアナリティクスプラットフォームへの投資を最優先するのは銀行、小売店、エネルギー企業などで、この分野への投資優先度が低いのは非営利団体、公益企業、政府機という結果になりました。
アバナード最高AI責任者であるフローリン・ローター氏は「効率的なAI活用のために従業員の対応準備を進めるだけでなく、今こそリーダーはAIファーストの未来へ備えるために、明確に定義された責任ある戦略策定を行っていく必要があります」とコメントしています。
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