サブスク動画配信サービスの市場規模が5000億円超え 最もシェアを伸ばしたサービスは？――GEM Partners調査：今日のリサーチ

定額制動画配信サービスの市場規模は2020年以降、堅調に拡大しています。ただし、成長率は鈍化傾向にあるようです。【更新】

[ITmedia マーケティング]

　エンターテインメント業界を対象にデジタルマーケティングサービスを提供しているGEM Partnersは「動画配信（VOD）市場5年間予測（2024-2028年）レポート」を発行しました。同社が抜粋して公開した定額制動画配信（以下、SVOD）のサービス別国内市場規模やシェアなどを紹介します。

Netflixは5年連続シェア1位でも前年比減

　2023年のSVODサービスの国内市場規模は、前年比12.1％増の推計5054億円に達しました。ここには消費者がSVODサービス事業者に支払った金額の総額で、広告収入などは含まれていません。成長率は前年比12.1％増でした。SVOD市場はコロナ禍におけるホームエンタテイメント需要の高まりを受けて拡大を続けています。ただし、成長率の推移を見ると、2020年に前年比34.7％増の3222億円だったのが、2021年は同19.9％増の3862億円、2022年は同16.7％増の4508億円、そして2023年と、勢いは緩やかになっています。

SVODサービス別国内市場シェア推移（出典：GEM Partners、以下同）

　国内市場におけるサービス別シェアを推計したところ、2023年はNetflixが21.7％で最大シェアを占め、2019年以降5年連続でトップを維持しました。もっとも、前年比では0.6ポイント減で、2年連続前年比減となりました。Netflixに次いでシェアが高かったのはU-NEXTで、前年比2.4ポイント増の15.0％でした。U-NEXTは2019年以降シェアを拡大し続け、2022年にはAmazon プライムビデオを抜いて2位に浮上。Paraviとサービス統合をしたことも影響し、2023年7月にシェアがさらに拡大しています。

　今回、調査対象となった14サービス中、前年比でシェアを拡大したのはU-NEXTに加え、Amazon プライムビデオ、dアニメストア、FOD（FODプレミアム）の4サービスでした。このうち最もシェアを伸ばしたのはU-NEXTでした。

VODサービス全体の国内市場規模は5740億円

　SVODとレンタル型動画配信（TVOD）、動画配信販売（EST）を合計したVODサービス全体の国内市場規模は、前年比8.2％増の5740億円と推計されました。2019年と比較すると市場規模は96.2％増加し、ほぼ倍の規模に成長しています。今後の予測について、ベースのシナリオでは今後も緩やかな成長が続き、2028年の市場規模は7371億円に達する見込みです。

VODサービス全体の国内市場規模推計の推移と予測

【更新：2024年2月23日10時35分　VODサービス全体に関する最後のパラグラフを追記しました】