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リテールメディアバブル沈静化とソーシャルコマースの台頭――「Marketing Dive」の8つの予言【3】【4】Maketing Dive

2024年、マーケターを取り巻く環境は目まぐるしく変化している。これから何が起こるのか。「Marketing Dive」による8つの予言のうち3つ目と4つ目を紹介する。

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Marketing Dive

 コロナ禍を経てマーケターはますますデジタルへの傾斜を強めている。テクノロジーの進化や外部環境の変化を正しく見極めることは、この領域で成功を収める上での大前提となる。

 「Maketing Dive」は、2024年のトレンドとして以下の8つを予言している。

  1. 特定層にウケてこそ大ヒットにつながる
  2. 代理店のアイデンティティーの流動化が進む
  3. リテールメディアのゴールドラッシュは終わる
  4. ソーシャルコマースがついに本格化する
  5. 破壊的ブランドがより大きな脅威をもたらす
  6. 広告サポート型ストリーミングに真打ちが登場する
  7. 透明性へのアプローチが変わる
  8. AIに対する目はますます厳しくなる

 本稿では、このうち3と4について紹介する。

予言3. リテールメディアのゴールドラッシュは終わる

 リテールメディアネットワークは2024年に再編されるだろう。マーケターは標準化に苦戦している数十のサービスを選別し、明確なパフォーマンスの向上が実証できないものを削減することになる。

 米インタラクティブ広告協会(以下、IAB)でバイスプレジデント(担当領域は測定、アドレッサビリティー、データセンター)を務めるジェフリー・バストス氏は、「ゴールドラッシュは終わった。リテールメディアの成長は続くだろうが、ブランドの付加価値を高めていることを証明できるメディアが有利に進み続けるだろう」と述べている。

 日用品ブランドはリテールメディアに賭ける価値があることを証明するプレッシャーにさらされており、2024年にネットワークに幾つかの提案を要求するだろう。その中には、KrogerやWalmartが開発しているような、オフサイトやインストアメディアなどのチャネルと連携したプログラマティックマーケットプレイスも含まれる。プログラマティックのノウハウに対する需要は、The Trade Desk、Criteo、Pubmaticなど、急成長する仲介エコシステムに今後も利益をもたらし続けるだろう。

 Cookieの死がデジタル広告の仕組みに与えるショックにより、リテールメディアの価格が上昇する可能性もある。オンサイトの在庫は転換点を迎えつつあり、多くのパブリッシャーがオフサイトのフォーマットに注力するようになっている。そのため、IDベースの広告ターゲティングの価格が全体的に上昇するかもしれない。

 広告プラットフォーム企業Adlookで米国担当バイスプレジデントを務めるパトリック・ガット氏は「(リテールメディアネットワークは)過去数年間、主にオンサイトで拡大してきたため、オープンWebで拡大を続けることができるほど供給が追いついていない。それが先細りになっているので、これまでのような成長は見られなくなるだろう」と語る。

予言4. ソーシャルコマースがついに本格化する

 メディアの主役がデジタルに取って代わられつつある中、ソーシャルメディアは2024年に最も急速に成長するセグメントの一つになるという予想もある。広告代理店のMischief @ No Fixed Addressで戦略ディレクターを務めるジミー・ジョージ氏は、GoogleによるサードパーティCookieの廃止をきっかけにマーケターがソーシャルメディアのデータドリブンな可能性を再評価するようになっていると指摘する。そこにはソーシャルコマースの活性化も含まれる。

 調査会社Insider Intelligenceによると、米国におけるソーシャルコマースの売上高は2024年に総額828億2000万ドルとなり、前年比23.5%増となる見込みだ。この分野での最近の話題の多くは「TikTok Shop」の米国でのローンチに集中している。すでに10代の若者の間で人気のアプリとなっているTikTokは、新たなカテゴリースタンダードを確立する可能性があると、クリエイティブエージェンシーのMovers+Shakers共同創設者兼CEOのエバン・ホロウィッツ氏は予想している。

 「TikTokは(購入の)ファネルをさらに短縮するという点でInstagramを追い越すだろう」とホロウィッツ氏は述べている。

 クリエイターエコノミーも上向きで、IABは2024年に広告主の44%が投資を増やすと予想している(関連記事:「2024年、広告主が『クリエイターエコノミー』にもっと投資すべき理由」)。ソーシャルコマースはクリエイターの支出を促進すると考えられる。広告代理店Razorfishの消費者およびコンテンツエクスペリエンス担当エグゼクティブバイスプレジデントであるクリスティーナ・ローレンス氏は、「クリエイターは高度なコマースを身につけるようになるだろう」とコメントしている。

 ホロヴィッツ氏は、2024年はTikTokが引き続き短尺動画コンテンツをけん引するものの、長尺動画コンテンツもある程度回復すると予想している。同氏はまた、特にイーロン・マスク氏のXがブランド誘致に苦戦し続けていることから、Threadsへの関心が高まることも予想している。

 「ThreadsはXに取って代わる大きなチャンスがあると思う」とホロウィッツ氏は言う。

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