2022年度のCDP市場は前年度比14.2%増、2027年まで年平均13.6%の高成長を予測――ITR調査:今日のリサーチ
ファーストパーティーデータによる顧客理解とマーケティング強化の重要性がますます高まる中、CDP市場は高い伸びが見込まれています。
独立系ITコンサルティング・調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は、国内におけるCDP(顧客データプラットフォーム)の市場規模推移と予測を発表しました。
2022年度のCDP市場の売り上げ金額は前年比14.2%増の118億円に達しました。ベンダー全般で新規ユーザーの獲得が確実に進んでいることに加え、既存ユーザーのシステム拡張も進んでいることから、2023年度も同13.6%増と高成長が見込まれます。
AI搭載型CDPも登場し、顧客理解の精度はさらに高く
改正個人情報保護法の施行やGoogleのサードパーティCookieサポート廃止などを背景に、企業は自社のWebサイトや店舗などから収集したファーストパーティデータを利用したマーケティングを強化するようになっています。これを実現するために欠かせないのが、さまざまなデータを統合して顧客IDにひも付け、各種チャネル(メール配信システムや広告配信システムなど)向けにセグメントされたデータを提供する基盤となるCDPです。ベンダー各社の積極的なマーケティング活動によりCDPの認知度も向上しており、2023年度以降もCDP市場は高成長で推移する見込みです。ITRは同市場の2022〜2027年度のCAGR(年平均成長率)を13.6%と予測しています。
ITRシニア・アナリストの水野慎也氏は「近年、大量の顧客データを機械学習によってセグメント分けするなど、AIエンジンを搭載したCDPも登場しており、今後学習モデルの改良により顧客理解の精度はさらに高まると予想されます。また、パーソナルデータのセキュアな活用においても機能拡充の動きが見られます。一部のベンダーはデータクリーンルームの装備を強調することで、パーソナルデータの保護とマーケティング活用の両立を訴求する動きが活発になるでしょう」とコメントしています。
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