Xが有料会員のみに表示される広告を新たに提供、誰得か?:Social Media Today
Xが新たな広告オプションを追加し、広告主は「Xプレミアム」の会員のみをターゲットにしたキャンペーンを検討できるようになった。
Xに広告を出稿することは、現時点ではおそらく人気のある選択肢というわけではない。原因はオーナーのイーロン・マスク氏にある。彼が物議を醸し続けているせいで、有名ブランドの多くが、このプラットフォームから撤退している。
それでも毎日大勢の人が利用しているのだから、Xは彼らをターゲットとする広告主に今もなお大きなチャンスをもたらす可能性がある。
「Xプレミアム」の会員を狙って広告が打てるということは……?
2024年1月6日、Xは注目すべき新しい広告オプションを追加した。これにより、広告主はサブスクリプションサービス「Xプレミアム」の会員をターゲットとするキャンペーンを展開できるようになった。
Xのエンジニアであるネイト・エスパルザ氏が投稿したこの例(外部リンク/英語)で分かるように、Xは広告を作成するプロセスに新しいチェックボックスを追加した。これにより、広告を表示する対象を有料ユーザーに絞り込むことができ、アクティブなプレミアム会員にリーチしたい広告主に、より多くの価値を提供できるようになった。
つまり、Xにわざわざお金を払っている彼らはきっと可処分所得が高い人々に違いないということだ。もっとも、現在Xプレミアムに登録しているXユーザーは1%にも満たないので、一体何人の人にリーチできるかという疑問は残るが。
Xは、AIチャットbot「Grok」へのアクセスなどの新機能を追加することで、有料サービス加入の勢いを加速させようとしている。それがどれほどの魅力になるかは分からないが、マスク氏とXは広告収入への依存度を下げる手段として、より多くの人々がXを有料で利用するようになってほしいと考えている。
これにより、Xは広告主に優しいコンテンツモデレーションという制約から解放され、アプリ内でより多くの種類の発言を可能にする。何が真実で何がそうでないかはユーザー自身がコミュニティノートを通じて示すことができるというわけだ。
原理的には、この取り組みは機能するかもしれないが、今のところはあまりうまく回っていない。また、マスク氏は大手ブランドや有名人、ジャーナリストなど、伝統的に多くのフォロワーを集めてきたユーザーをたびたび攻撃しているが、これもXの長期的な成功にはつながりそうもない。
しかし、もしあなたのオーディエンスがそこにいて、あなたがリーチしたい人々がXプレミアムの会員であることが分かっているなら、この新しい広告オプションを試して、どんな結果が得られるか見てみる価値はあるだろう。
Xによると、この新しい設定はキャンペーン設定を通じて全ての広告主に対して有効だという。
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