博報堂生活総合研究所は、全国の25〜39歳の男女を対象に「ひとり意識・行動調査」を実施。その結果を30年前に実施した同様の調査結果と比較して公開しました。
「ひとりでいる方が好き」 か 「みんなでいる方が好き」か、どちらの考えに近いかを聞いた結果。2023年は「ひとりでいる方が好き」な人が56.3%と過半数に達し、1993年の調査と比べて12.8ポイント増加しました。特に若い世代で差分が大きくなっています。
「意識してひとりの時間をつくっている」が30年間で大幅増
ひとりに関する生活意識や価値観について、複数の選択肢を用意して自分の考えに近いものを選んでもらったところ、「意識してひとりの時間をつくっている」を選択した人は49.1%で、30年前の27.3%から大幅増となりました。この他、「ひとりで没頭できる趣味を持っている」人は58.1%から74.8%に、「趣味・遊びは、みんなよりひとりでやる方が好きだ」は31.9%から44.2%に増加しています。
一方、ひとりに関する行動の変化としては、生活のさまざまな場面で、ひとりで行動したい人が増加していることが分かりました。「ひとりで行きたい場所」を聞いたところ、「喫茶店・カフェ」が1993年の20.0%から53.4%に、「ファストフード」が同20.9%から46.7%に、「映画館」が同18.1%から37.5%に、いずれも30年前の2倍以上に増えました。
「ひとりでしたいこと」は、仕事や食関連を中心に多くの分野で増加しています。例えば「会社の昼休み」は1993年の43.0%から75.9%に、「平日、家で朝食をとること」が24.8%から57.1%に増加しました。
いまや過半数の人にとってひとりで行きたい場所になった「喫茶店・カフェ」ですが、「喫茶店・カフェにひとりでいてもつらくない時間(待ちあわせ以外)」を聞くと「120分以上」が7.2%から42,7%へと大幅に増えているのも興味深いところです。
調査結果からは、この30年で単独行動を好む生活者が大幅に増加していることが明らかになりました。コミュニケーションの設計やプロダクト開発において留意すべき事項と言えそうです。
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