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倒産する? マスク氏は金持ちなんだから自腹を切ればいいのでは? Xの将来に関する5つの考察【前編】Social Media Today

主にイーロン・マスク氏の言動をきっかけに広告主の離脱が進む中、Xの将来はますます不透明なものになりつつある。これからのXについて、誰もが知りたいポイントを考察する。

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Social Media Today

 イーロン・マスク氏がXの主要な収入源を担う広告主たちをを侮辱した今、彼の野心的な "全部乗せアプリ "には、次に何が起こるのだろうか。

 Xは閉鎖に追い込まれるのか。マスク氏はXを維持するために自腹を切るのか。Xは広告の損失を補うだけの利益をサブスクリプションビジネスから得ることができるのか……。

 考慮すべきことはたくさんあるし、(マスク氏のみが全データを持っているため)全ての答えを持っているわけではないが、これまでに報告された洞察に基づき、Xが現在どのように配置されているかについて、分かっていることをまとめる。

考察1:Xは倒産するか?

 可能性はある。だが、繰り返しになるが、非上場企業となったXは四半期ごとの業績報告義務がなくなったため、財務状況の全貌を把握することはできない。

 しかし、今回の広告主流出以前から、Xの2023年3月期決算はすでに赤字になることが決まっていた。

 旧Twitterが報告した過去のデータによると、同プラットフォームの2022年の広告収入は約39億6000万ドルだった。2023年9月にマスク氏は、Xの新たな方向性に対する懸念と、より広範な市場からの圧力により、同社の広告収入が就任以来半減していると述べた。従って、今回の広告休止以前は、Xは年間約20億ドルの広告収入をもたらす予定だったと推測できる。

 New York Timesの最近のレポートによれば、Xはさまざまな広告主がキャンペーンを一時停止することで最大7500万ドルの収入減となる可能性がある。もちろん巨額だ。だが、それでも今四半期に影響するだけだ。

 Xは2023年も約19億ドルの収益を上げる見込みだ。これは、旧Twitterがこれまで生み出していた金額よりもずっと少ないが、相当な金額ではある。つまり、かかっているコストにもよるが、Xは必ずしも倒産に近づいているわけではないのだ。

 2022年、マスク氏が引き継ぐ前、Twitterのコストは50億ドルを超え、そのうちの約38億ドルは人件費だけだった。そのためマスク氏は、スタッフの80%の削減、地域オフィスの閉鎖、賃貸契約の再交渉、主要データセンターの閉鎖などを含む、思い切ったコスト削減計画に着手した。

 これらのコスト削減策がどのような影響を及ぼしたかは分からないが、マスク氏と彼のチームが実施したxAIのためのGPUやその他の要素で追加コストが発生したとはいえ、全体としてXのコストは20億ドル程度に抑えられたのではないかと推測できる(これらのコストがXに帰属するのかどうか、またXの営業利益率にどのように関係するのかは不明である)。

 便宜上、Xのコストが現在20億ドルで広告からの収入が19億ドルほどだとしよう。Xはまた、サブスクリプションとデータ/APIの売り上げからさらに6億5000万ドルを得る予定であるようなので、今回の広告ボイコットがあっても、全体としてはまだ大丈夫そうだ。

 しかし、マスク氏の買収取引の一環としてXが背負った負債もある。マスク氏は、440億ドルの資金をXに提供するため、年間12億ドルの利払いが見込まれる負債を背負った。

 つまり、Xの2023年の収入は約25億ドル、コストは32億ドルということになる。これ以上の赤字はこの状況をさらに悪化させるだけであり、もし広告主が新年まで離れ続ければ、事態はかなり急速に暗くなり始めるということだ。

 まとめると、Xは少なくとも2023年中は大丈夫だろう。しかし、損失が膨らんで2024年3月までに状況が好転しなければ、Xは数十億ドルの損失を抱えることになり、本当に廃業に追い込まれることになるかもしれない。

考察2:マスク氏は世界一の金持ちなんだから、自分の金でXを浮上させることはできないの?

 おそらくだが、必ずしも見かけほど単純ではない。

 マスク氏はもちろん、数十億ドルの資本を利用できるし、さらに調達するためのさまざまな手段も持っている。しかし同時に、Xを継続させるためにちょっと銀行に行ってATMから数十億ドルを引き出すようなまねもできない。

 マスク氏は以前、彼の富の大半はTeslaやSpaceX、The Boring Companyなどに結び付いていると述べた。そのため、彼は数千億ドルの資産を保有しているものの、それは必ずしも流動的ではない。現金化する際には従わなければならないプロセスがあり、その結果生じる影響もあるため、ただ個人的な財布から支払うというような単純なものではないのだ。

 例えば、マスク氏はTwitter買収のためにTesla株を約70億ドル分売却した。このことはTeslaの投資家たちに不評で、投資家たちはTesla株の売却は企業価値を下げる恐れがあるとして、これ以上売却しないようマスク氏に約束させた。

 マスク氏はまた、Twitterの買収時にSpaceXから10億ドルを借りているが、その後返済済みである。

 つまり、マスク氏はXに継続的なプロジェクトとして資金を提供することはできるが、見返りのないものに何十億ドルもつぎ込むのは賢いビジネスではなく、Teslaの資金をXの金庫に振り込むほど簡単ではない。

 マスク氏がX黒字化への道筋を売り込むことができれば、他の後援者も彼を助け、多少の打撃を受けることをいとわないかもしれない。しかし、繰り返しになるが、主要な収益パートナーに汚い言葉(いわゆるFワード)を吐くようなまねをしていては、彼を天才と見なす人々からでさえ、支持を得ることはないだろう。

(「広告収入減はサブスクで補える? 逃げた広告主は戻る? そして余命は? Xの将来に関する5つの考察【後編】」に続く)

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